「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月3日(月曜日)弐
通巻第6894号
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イスラエルのモサッド長官、バイデンと一時間の秘密会談
イランの核合意復帰に大いなる疑問を提出か
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イランでは大混乱が起きている。イスラエルが無人機の遠隔操作でナタンズの核施設を破壊したことではない。イランのザリフ外相が、革命防衛隊のソレイマニ司令官(20年1月に暗殺)を批判したのだ。
英国のラジオ放送のインタビューに答えて「革命防衛隊の軍事優先行為は、外交努力の妨げになった」と露骨にソレイマニ司令官を非難し、「2015年の核合意に関して、外交努力を進めていた時に、勝手にイラン航空を動員し、シリアに軍事物資、支援の兵站物資を運ぶなどした」と批判理由を挙げた。
5月2日、最高指導者のハメネイ師が現れ、ザリフを批判した。
「ショックだ。愛国者に対しての敵対行為だ」と激しく罵り、革命防衛隊は「ザリフを弾劾せよ」と声を荒げる。六月のイラン大統領選挙に、穏健派から立候補を予定していたザリフは、周囲のあまりの反発に肩を落としたという。
しかしザリフ外相は「外交とは国益を追求するものであり、共通した目標達成のためには協調が必要」と語った。
https://www.tehrantimes.com/news/460539/Zarif-thanks-Leader-for-unifying-speech
さて、このタイミングで、イスラエルのモサッド長官であるヨッシ・コーヘン長官が、4月30日にバイデン大統領と一時間にわたる秘密会談を行っていたとイスラエルの有力紙『エルサレムポスト』(5月2日付け)がすっぱ抜いた。
コーヘン長官はバイデン大統領と『雑談』をしたとホワイトハウスが会談を追認した模様だが、会談にはバーンズCIA長官が同席していた。
またコーヘン長官は、ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官とも会合をもち、重要な案件を討議したという。
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