ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

WINZからの自立

2016-08-23 | 経済・政治・社会
友人と世間話をしていると、彼女が突然、
「そうそう、先週WINZと話し合って、ファミリータックスクレジットを
止めたの。」


えっ止めた?
もらうんじゃなくて?



と思った瞬間、彼女とバッチリ目が合い
そうか、自立したのか


Congratulations



WINZとはNZの社会福祉行政の窓口業務を一手に担う機関で
失業したり
離婚したり
低所得だったり
子どもが生まれたり
病気で働けなくなったり
65歳になって年金がもらえるようになったりしたら
駆け込む場所


ファミリータックスクレジットとは子どものいる家庭が所得に応じてもらう
子ども福祉手当で、彼女のように働いている人は増額されます。
在職福祉とはいえ、所得が上限以上になったら対象から外れます。


彼女は歩合制の仕事をしており、昨年度の所得が上限を越えてしまい
WINZが2、300ドルを返せと言ってきたそうです。


「今年の方がいいから、このままだと来年の返済が大変になりそうで
担当者と話し合って止めることにしたの。」


「スゴいじゃない、WINZから自立するなんて本当におめでとう。
誇りに思うわ。


「私も誇りに思うわ。離婚して5年。とうとうここまで来たわよ


離婚直後は子どもも小さく、フルタイムで働くのは大変なことで
ファミリータックスクレジットが本当にありがたかったそうです。
そこからコツコツがんばり、所得が上がるにつれて手当が減額され
とうとう自立


生きた福祉というものを目にしたように思いました。
彼女の受給していた手当はそれをもっと必要としている人の手に渡り
彼女も、私たちも、受給者さえも納税者として制度を支える
(※NZの消費税は15%で生活保護受給者でも15%を納税しています)


夜だったら、そのままカンパイしたいような感動でした。
またいつか日を改めて、お祝いするかな?
いまだに感動覚めやらず
シングルマムのがんばりに乾杯



私たちもかつてファミリータックスクレジットをもらった年がありました。
しかし、WINZのサイトで確認すると、どう考えても所得が対象外。
何度WINZに確認しても、
「お宅は自営業で所得が不安定だから、まず支払って後で調整します。」
という返事。


年度が代わって税金の申告を済ませるや今度は
「7,500ドル返せ
と言ってきて、まるでこちらが借金でもしているかのような態度。


こんなことなら最初からもらわなければよかったというトホホ体験
所得が不安定な自営業だからこそ、定額を返済するのは大変(涙)
友人も「早く返せ」と言われて、かなりムっとしたそう(笑)


ここで彼女からの助言です。
もしも所得が不安定で、もらえるのかもらえないのかビミョ~な場合は
年一括払いにしてもらうといいそうです。
対象にならなければゼロ、なればその分をもらっておしまいなので
後から「返せ」とならないので便利


自営業者の間では年一括は一般的なんだそうで、彼女の友人一家も
「もらえれば国からのボーナスだと思って一家で旅行に行く。
もらえなければ、しょうがないから自分のお金で行く(笑)」
んだそうです。


せっかくの制度。
対象になるならどんどん使い、ならなくなったらどんどん支えよう
NZのこの皮膚感覚の社会が死ぬほど好きですわ


「ニャンコにも何かあったらいいのにね。」

「・・・・・・・・


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