ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

命日おめでとう

2022-07-17 | 家族&夫婦
昨晩、起きているうちに日付
が変わり「父の命日だわ。」
と、隣にいる夫に言ったら、


「命日おめでとう
「〇X$+@&◇¥Σ?」


夫は記念日や祝祭日はすべて
「おめでとう」の人


新年、誕生日だけでなく、バ
レンタインデーや結婚記念日
イースターにクリスマスまで


命日までおめでとうで来た


でも、よくよく考えてみたら
「おめでとう」以上に相応し
い言葉はないかもしれない


老人ホームに入ろうとして90
歳で受けた健康診断で、ステ
ージ4の肺ガンが見つかり、痛
みも苦しみもないまま入居し


「みんな、よくしてくれる」
「ごはんが美味しい」
「困ったことはなにもない」
「痛くも苦しくもない」
「夜は朝までよく寝られる」


と繰り返し繰り返し言い、心
から満足そうなまま、医者の
「余命半年」の宣告どおり、
命の灯が小さくなっていき、


妹夫婦と私たちと、和やかに
楽しくビデオスカイプをした
翌日に、父は意を決したよう
に潔く旅立っていきました。


昭和一桁91歳の天晴な大往生
その旅立ちを「おめでとう」
と言わずになんと言えばいい


大戦も戦後の復興も、高度成
長期も、肝硬変も、糖尿病も
生き延び、肺ガンでもあんな
にも穏やかで、痛みも苦しみ
もない本人が満足のいく最期


日本にいる間は、死というも
のは誰であれ、どうであれ、
無条件に悼むものなのだと、
社会通念で思っていました。


しかし、海外に出てから、死
は時として祝福するものでも
あるのだと知り、父の場合は
本人にも家族にも祝福だった
とつくづく思います。なので
命日もまた「おめでとう



90代まで立派にしっかり生き
抜いた父を誇りに思います。



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