旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

上田藩主居館跡

2022年09月24日 | 旅 歴史

 長野県上田市大手に上田藩主居館跡(うえだはんしゅきょかんあと)があります。
 上田藩主居館跡は歴代上田藩主が住んでいた所です。門は藩主屋敷にふさわしい豪壮な造りの薬医門です。今はこの門は県立上田高等学校の正門になっています。春は桜が咲き誇り、晩秋には紅葉した葉が堀をうずめます。
 関ヶ原の戦いの後、上田城は破却されました。昌幸・幸村(信繁)の活躍で中山道で関ヶ原を目指した徳川秀忠軍は戦いに遅参させられてしまいました。このことで秀忠の怒りは大きく、城すべてを破却したようです。
 しかし同じ真田の一員でもあった真田信之(信幸)への信頼は厚く上田と沼田の地を安堵しました。城のない上田を治めるために建てたのがこの居館でした。城主の御殿は一般的には城の本丸に設けられます。しかし上田の場合は城から大分離れたこの地に置かれたのです。
 上田藩主の居館は藩政の中心施設である藩庁でもあり、実質的な上田城の本丸でもあったのです。元和8年(1622)、真田信之は松代に転封となり、故郷上田を後にしました。信之は松代藩を築き93才まで生き、90才まで藩政に携ったそうです。
 上田には小諸より仙石氏が入封し、その後、松平氏が入りました。上田城も再建されましたが、藩主の居館はそのまま移転されず明治維新まで続きました。現在は屋敷門と真田時代の堀だけが昔を偲ばせています。

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