フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月2日(日) 雨のち曇り

2025-02-03 12:45:42 | Weblog

7時45分、起床。

今日は義母の葬儀。10時前に妻と家を出る。葬儀場の最寄り駅は田園都市線のたまプラーザ。

蒲田ー(多摩川線)→多摩川ー(東横線)→自由が丘ー(大井町線)→二子多摩川ー(田園都市線)→たまプラーザ、と乗り継いでいく。

途中の二子多摩川駅のホームからの風景。遠くにかすんで見えるのは武蔵小杉の高層ビル群。

家を出て1時間ほどでたまプラーザ駅の到着。今日は国学院大学の入試日のようだ。

娘も同じ電車に乗っていたようで改札で合流する。

葬儀場は駅から徒歩5分のところにある。

葬儀は典型的な家族葬。義姉夫婦と二人の息子さん、私たち夫婦と娘の計7名である。百歳で亡くなるということは葬儀に足を運べるような友人・知人はもういないということである。

遺影は80代の半ばくらいに撮ったものだろうか。穏やかないい笑顔である。

葬儀(初七日法要も)を済ませ、火葬場(横浜市北部斎場)へマイクロバスで移動。

告別室の8つある大きな斎場である。係の方の話ではそれでも予約が立て込んでいるという。実際、義母の場合も亡くなって(1月26日)から葬儀まで7日かかった。

火葬炉の前で最後のお別れをした後、休憩室で食事(精進落とし)。

火葬が終わり、収骨室で骨上げ(骨壺に収める)。

骨箱と遺影を持って、マイクロバスに乗り、私たち夫婦と娘は最寄りのすずかけ台駅(田園都市線)で降りる。義姉夫婦と息子さんたちは十日町駅(横浜線)へ。本日はお疲れ様でした。

妻はそのまま帰宅したが、私と娘は大学へ。

研究室の本でほしいものがあれば8日の搬出のときに別にしておくから今日はチェックだけしておいてと。お皿も2枚、もっていってもらう。

『清水幾太郎著作集』全19巻は自宅の書斎に1セットあるので、研究室のものは売ってしまうつもりだが、今日みてみたら第10巻が抜けていることに気づいた。二冊目の自伝『私の心の遍歴』が収められている巻である。欠落しているわけではなく自宅に持って返っているのである。8日までに持ってきておかねばならない(全巻揃いでなければ価値がない)。それと各巻に挟まっているはずの月報がない。これは古書店で購入したときからなかったのか、使い勝手を考えて全部を取り出して別に保管してあるのか(自宅のセットはそうしている)判然としない。月報も揃っているかどうか(帯も付いているかどうか)は古書としての価格に影響する。

研究室には1時間半ほど滞在。

どこかで夕食でも食べて行こうと、最初に「タビビトの木」に行ったのだが食事類は完売だった。今日は節分で、穴八幡に来る客で込み合ったようである。

「日高屋」に入る。

私はレバニラ炒め定食。

娘はダブル餃子定食。我が家では餃子をよく食べる。一人当たり20個くらいは食べるのはないかと思う。だから一皿に5つ6つの町中華の餃子定食ではものたらないのである。

食事をしながら「ラーメンライス」の話をした。私はラーメンライス(ラーメン+ライス)というものを一度も注文したことがない。ラーメンとチャーハン(多くの場合半チャーハン)ならあるが、それはラーメンも食べたいしチャーハンも食べたいという気分の時があるからである。チャーハンはラーメンからは独立している。しかし、ライスの場合、それ単独で食べるという食べ方はしないであろう。レバニラ炒めをおかずにライスを食べるように、ラーメンをおかず(?)にライスを食べるのであろう。はたしてラーメンがライスのおかずになるのか、私ははなはだ疑問である。娘はたまにラーメンライスを注文するという。ラーメンを食べて、そのスープが口中にまだ残っている刹那、ライスを食べるのだそうだ。あるいは蓮華にご飯を入れて、それをラーメンのスープに浸して、口に運ぶのだそうである。スープをライスにかけて食べる人もいるらしい。「この背徳感がたまらないのよ」と娘は少し恍惚の表情を浮かべて行った。背徳感は大袈裟だが、社会学的にいえば一般的な社会規則に反した行為(行儀の悪い行為)をするときのスリルと快感ということだろう。それはわからないでもない。私がそれをしないのはたぶん「行儀が悪い]からではなく(事実、私は「メルシー」でよくチャーハンにスープをかけて食べる)、ラーメンライスというものに漂う「貧乏くささ」のためだろうと思う。ラーメンライスについて語りながら、私は娘の餃子を2個食べた。

食後の珈琲を「カフェゴトー」で飲んで行こかと思ったが、日曜日は7時半がラストオーダーだった。娘とは地下鉄の早稲田の駅で別れた。娘は高田馬場から西武新宿線に乗るのだ。

帰宅して、レポートの採点。

研究室から自宅に持って来ていた『清水幾太郎著作集』第10巻はすぐに見つかったが、何か所か書き込みをしていることが判明。ただし、フリクションペンだったので、きれいに消すことができた。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

今日は棋王戦第一局(一日制)があったのだが、まったく忘れていた。先手の藤井聡太が挑戦者の増田康宏八段を127手で下した。藤井の得意戦法である角換わりに対して先攻する研究手順で挑んだ増田ではあったが、形勢互角の見ごたえのある攻防戦が続いた後、終盤で藤井に形勢が傾くとそのまま押し切られた。

買ってあった節分の豆が撒かれることはなかった。葬式のあった日に豆を撒こうという気分にはならないものである。

1時、就寝。