川渡温泉 湯宿ぬまくら

以前からどんなお宿か気になっていた川渡温泉の「湯宿ぬまくら」で立ち寄り入浴してきました。こちらでは「鳴子湯めぐりチケット」を利用できますが、「湯めぐりチケット」ですとシール3枚（200×3=600円相当）を要する一方、こちらで設定されている入浴料金は500円ですから、現金の方が100円得です。


　
玄関前には板塀の囲いが立っており、そこには「源泉です」と書かれた札が下げられていました。自家源泉なんですね。鳴子一帯では決して珍しくありませんが、でも「源泉」と書かれていればついつい目が向いてしまいます。



玄関に入るとご主人ファミリーの物と思しき靴が並んでおり、どことなく家庭的な雰囲気がフワフワと漂っていますが、館内は総じて綺麗で明るく整然としており、ロビーのソファーで新聞に目を通していたご主人に入浴をお願いすると、快く迎え入れてくださいました。お風呂は男女別の内湯が一室ずつで、帳場右手に紺と紅の大きな暖簾が掛かっています。なお宿泊者は貸切の露天風呂が利用できるそうです。


　
中小規模の旅館らしいサイズの脱衣室は、大手の旅館も真っ青になるほど手入れがとてもよく行き届いており、気持ちよく使うことができました。汚くなりがちな流し台も実に綺麗です。水廻り清掃やメンテナンスがきちんとしている施設は安心して利用できますね。


　
ピラーの無い大きなガラス窓が印象的な浴室は、天井が高くて広々としており開放感があります。また壁面は緑色のペンキで塗られており、リラックスをもたらす心理効果・視覚作用を生み出しています。窓の外には石灯籠を屋外灯にした小さな日本庭園が造られていました。
壁には湯もみ板が立てかけられていましたが、湯もみしなきゃいけないほど熱いのかな？　　


　
洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基設置されています。水栓は硫化して真っ黒く変色していました。


　

浴槽は大小の二つに分かれています。
右側の大きな方の湯船はごく一般的な全身浴槽で、8人前後は同時に入れそうな大きさです。源泉投入口は大きな湯船にしかなく、湯船の大きさから考えるとちょっと少なめの源泉が注がれていました。源泉温度が高いので、加水すること無く湯温を調整するために投入量を絞ってるのかと察せられます。実際に湯口のお湯は直に触れないほど熱いものでしたが、湯船では41～2℃で落ち着いており、加水せずに入浴することができて、湯もみ板を使うこともありませんでした。湯使いは完全掛け流しです。なお硫化水素中毒を防ぐべく、湯面付近には換気のためのルーバーが設けられていました。

お湯はややグレー混じりの鶯色に弱く濁り、湯中ではときタマゴのような薄い黄色の湯華が浮遊していました。お湯からは川渡らしいはっきりとした硫黄臭が発せられ、口にしてみるとタマゴ味＋苦み＋渋み＋甘みが感じられました。投入量が絞られているためか、あるいはここのお湯の個性なのか、川渡の他のお湯と比べて知覚面が幾分マイルドで控えめであるような気がしますが、こなれているお湯なので入りやすく、適度な湯加減でもあったので、私はしっかり長湯してしまいました。



左側の小さな湯船は浅い造りになっていて、寝湯するための浴槽のようです。こちらには湯口が無いので、大きな浴槽から流れてくるお湯を受けてるのですが、その量がかなり少ないためか、浅くてすぐに冷めちゃうためか、やたらにぬるかったために今回は利用しませんでした。

とっても綺麗且つ快適なお風呂で川渡らしい硫黄のお湯に入浴することができる、好印象のお宿でした。宿泊サイトの口コミを見ても総じて高評価ですので、機会があれば宿泊してみたいものです。


沼倉の湯
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉　55.8℃　pH7.4　溶存物質1110.5mg/kg　蒸発残留物876.8mg/kg　
Na+:212.3mg(77.82mval%), Ca++:33.3mg(14.00mval%),
HS-:6.8mg(1.74mval%), SO4--:144.1mg(24.83mval%), HCO3-:479.4mg(65.07mval%),
H2SiO3:174.7mg, CO2:56.1mg, H2S:3.3mg,
加温加水循環消毒なし

陸羽東線・川渡温泉駅より徒歩20分(1.9km)
宮城県大崎市鳴子温泉川渡38-1
0229-84-7253
ホームページ

日帰り入浴10:00～20:00
500円（鳴子湯めぐりチケットのシール3枚）
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み：★★★