温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

毛馬内七滝温泉

2012年11月24日 | 秋田県

秋田県内にはアイヌ語由来の地名が多く存在していますが、鹿角地域の中心地である毛馬内もその一つでして、ワイルドな字面とアイヌ語らしい響きは私の心をつかんで離しません。
秋田県の小坂から花輪へ国道282号で南下する途中、毛馬内の市街地に入る直前で小さな川に沿った路地を東に入った先にある日帰り温泉入浴施設「毛馬内七滝温泉」を今回取り上げます。毛馬内の市街地や東北道の十和田インターからも近いために、旅行や出張途中でも利用しやすい立地といえるでしょう。かくいう私も何度か利用させていただいています。ログハウス調の建物は周囲の長閑な環境と調和しており、落ち着いた温かみのある雰囲気です。



券売機で料金を支払い中へと入ります。館内はとても綺麗でして、気兼ねなく利用できるほのぼのとした空気が横溢していました。休憩スペースの中を奥へと伸びる通路を進んで浴室へ。


 
通路最奥の浴室入口前には岩組みの上に神棚が祀られており、その右脇には飲泉所が設けられています。でもお湯はまるで1本の糸のように細々とチョロチョロとしか落とされていないため、ちょっと飲みづらかったりするんですが…。


 
天井が高い脱衣室。必要な設備はひと通り揃っています。室内に掲示されている湯使いに関する掲示は、文面がとっても誇らしげですね。


 
お風呂は内湯と露天があり、上画像は内湯です。曇って見難い画像で申し訳ありません。脱衣室同様にこちらも天井が高く、広さも十分に確保されているので、開放感溢れる環境の中でストレス無く湯浴みすることができました。私がこちらを利用するときは大抵夕方なのですが、そうした時間帯の問題なのか、あるいは意図的に設計しているのか、室内の照度はやや暗めになっており、人によって好みは分かれるかもしれませんが、私個人としては気持ちを鎮めてゆっくり入浴できる落ち着いた良い雰囲気ではないかと思っています。
浴槽は4~5メートル四方の方形で、浴槽自体はモルタル造ですが縁には木材が用いられています。湯加減は万人受けするような絶妙な温度です。洗い場にはシャワー付き混合水栓が7基設置されており、湯船から溢れ出るお湯が流れる床は成分の付着により赤茶色に染まってマーブル模様を呈していました。


 
露天風呂の頭上には屋根が庇のようにせり出ているため、多少の雨雪だったら問題なく入れるかと思います。浴槽は岩風呂となっており、外気による冷却の影響なのか湯加減は内湯よりややぬるく、どちらかといえば長湯向きかも。源泉が流されてゆく石組みの湯口は、お湯の流路が赤茶色に染まっていました。
お湯は泉質名としては含石膏芒硝泉ですが、重炭酸土類泉に近い知覚を有しています。具体的にはギシギシとした浴感が仇に伝わり、見た目は黄緑色と黄土色を足して2で割ったような色合いに濁っており、鉄錆系の匂いをプンプン放ち、薄塩味+石膏味+土気味+金気味が感じられました。内湯・露天とも熱交換器による加温は行われているようですが、加水や循環濾過は行われておらず、放流式の湯使いとなっています。


 
露天に浸かると目の前にはまるで庭園のような山の斜面が広がっています。自然豊かなロケーションゆえに露天風呂にはいろんなものが舞い込んでくるらしく、お風呂の塀にはその旨を知らせる掲示が貼ってありました。曰く、虫・木の葉・そしてタヌキやカモシカまでその登場人物として列挙されています。カモシカって本当ですか!? 最後の一文の「へっぷり虫」は即ちカメムシですよね。他の虫とは仲良くできても奴だけは例外らしく、奴に対しては「なかよくしましょう」ではなく「注意しましょう」なんですね。あいつは本当に質が悪いもんなぁ…。


源泉名:七滝
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉 42.9℃ pH7.6 260L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質3655.3mg/kg 成分総計3660.3mg/kg
Na+:813.8mg(68.86mval%), Ca++:231.7mg(22.49mval%), 
Cl-:119.8mg(6.47mval%), SO4--:2217mg(88.41mval%), HCO3-:156.8mg(4.92mval%)
H2SiO3:32.5mg,

秋田県鹿角市十和田毛馬内前舘53-7  地図
0186-30-3230

6:00~21:00
350円
ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント (2)
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