郡山周辺には市街地から比較的近距離に良い温泉が点在しているので、付近に寄ったら気軽に湯めぐりできる、温泉好きにとっては嬉しい街だと思います。最近は月に2度ほど仙台へ所用で出かけているのですが、現地での所用が予想以上に早く済んで時間が余ってしまった初秋の某日、都内へ早く帰って社内の重苦しい空気を吸い込むのは精神衛生上好ましくないと勝手に判断し、いつものように口八丁で適当に口実を作り上げ、郡山で新幹線を途中下車して、今回取り上げる「仙遊 島乃湯」でひとっ風呂浴びてきました。
郡山駅前から「あすなろ循環」の路線バスに乗り、「桑野協立病院」バス停下車します。
バス通りより一本南側の路地に入り、停留所から歩くこと2分程度で目的地に到着しました。比較的大きな日帰り入浴施設なんですね。最寄りバス停名にもなっている「桑野協立病院」に隣接しており、建物の前には広い駐車場が設けられています。デイサービス施設を併設しているためか、一見すると温泉施設というより福祉施設のような佇まいです。
下足箱のキーを受付に預けて料金を支払いますと、それと引き替えに番号指定のロッカーキーを受け取ります。
フロントの左斜め前が浴室の入口ですが、その手前には自販機やアーケードゲームなどが並ぶ休憩室が広がっています。自販機群の中には、福島県民にとってのソウルドリンクである「酪王牛乳」のビン自販機が設置されていました。「酪王カフェオレ」は本当にうまいですよね。都内でも秋葉原駅の総武線ホームにあるスタンドで飲むことができるので、わざわざ立ち寄ることすらあるほど、私は酪王の大ファンです。なお2階は食堂となっているようです。
脱衣室は温泉のそれというより、ちょっと古めのスポーツクラブ、あるいは河川敷のゴルフコースを連想させる無機的な雰囲気でして、縦長のスチールロッカーがズラリと並んでいます。上述のようにロッカーの番号は受付で手渡されるキーで指定されています。洗面台が広かったり、ウォータークーラーが使えたりする点はありがたいですね。
浴室はかなり広くて天井も高く、窓も大きいのでとっても開放的。窓に面してL字形の主浴槽が据えられています。浴槽は結構大きくて15人は同時に入れそうな容量です。また主浴槽の左側には水風呂、そしてサウナが設置されています。ご多分に漏れず、こちらのお風呂でもサウナは大人気でした。こちらの水風呂は井水を使っているのか、透明ですが僅かに黄色みを帯びているようでした。
洗い場にはシャワー付き混合水栓が8基一列に設置されているのですが、給水・給湯(源泉)配管とも鉄管がむき出しになっており、このプリミティブな施工から「もしかしたら・・・」想像しながらお湯のコックを開けてみたら、期待通りに源泉が出てきました。お湯のままではかなり熱いので火傷注意です。
理由はわかりませんが、私の経験則として、お湯の配管を露出したまんま水栓に直結させている温泉施設は、えてして源泉を給湯させている場合が多いような気がします。お湯の配管の表面は、温泉成分が付着して黄土色に染まっていました。
お湯はやや赤く着色された石の湯口から注がれており、浴槽を満たした後、窓下の排水溝へと溢れ出て行きます。お湯はほとんど無色透明ですが、ほんの僅かに黄色く色づいているようにも見えます。湯口にてお湯を手に受けて口にしてみると、金気・芒硝・タマゴの味&匂いが感じられ、更には化石海水系の温泉にありがちなガスのような香ばしい匂いも嗅ぎ取ることができました。
入浴して1分もすれば全身に気泡が付着し、その気泡の力も相俟って、ツルツルスベスベの非常に気持ちよい浴感を楽しむことができました。湯使いは放流式であると思われます。
こちらは露天です。日本庭園風の岩風呂で、10人前後のサイズ。浴槽中央の底にあけられた穴から細かな泡とともに源泉が供給されており、こちらも放流式の湯使いで、浴槽縁から惜しげも無くお湯が排出されていました。
内湯と違って外気に触れること無く源泉が浴槽へ供給されているためか、露天のお湯は鮮度がとても素晴らしく、とりわけ肌への泡付きがとても激しいのです。入って僅か数十秒で全身泡だらけになりました。この泡付きは私のみならず誰しも感激するでしょう。湯加減もちょうど良く、湯上がりもなかなか湯冷めしません。いつまでも入っていたくなる極上のお湯です。
立地も施設も一般的にイメージする温泉風情とはかけ離れていますが、お湯のクオリティはとても素晴らしく、とても市街地のど真ん中で湧出してるとは思えません。またひとつ、郡山にお気に入りの温泉施設を見つけてしまいました・・・。選択肢が増えちゃって(良い意味で)困ります。
仙遊島乃湯源泉
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 45.3℃ pH8.7 蒸発残留物1.307g/kg 成分総計1.297g/kg
Na+:409mg,
Cl-:242.4mg, SO4--:508.0mg, CO3--:37.9mg,
H2SiO3:36.3mg, CO2:0.0mg,
郡山駅から福島交通バスの「あすなろ循環」などで「桑野協立病院」バス停下車、徒歩2分
福島県郡山市島2-7-6 地図
024-931-4126
8:00~翌1:00
500円から(時間により細かい設定があるようです)
ドライヤーあり
私の好み:★★★