温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

小山田記念温泉病院 コミュニティーホールぴあ小山田

2012年11月17日 | 三重県

中部・関西方面の温泉ファンにはよく知られている、三重県四日市市の「小山田記念温泉病院」敷地内にある地域交流施設「コミュニティーホールぴあ小山田」で入浴してまいりました。
今回私はレンタカーで訪問しましたが、JRや近鉄の四日市駅から小山田病院へ運行されている路線バスの終点停留所は、ちょうどこの施設前に建植されていますから、公共交通によるアクセスでも楽だろうと思います。


 
ちなみにこちらが病院の本棟ですが、かなりデカい総合病院なんですね。近鉄名古屋線に乗っていると、車窓の田んぼの真ん中に「小山田記念温泉病院」の広告看板が立っている光景をしばしば目にしますが、四日市市のみならず三重県としても屈指の規模なのかもしれませんね。ちなみに院内にも療養用の温泉浴場があるんだそうです。

施設案内図を見ると、広大な敷地内には病院を中心にして医療・福祉のみならず様々な用途の施設が建てられていることがわかるのですが、中でも目を引くのが「露天風呂 きじの湯」でして、後述する小山田温泉のお湯が引かれているそのお風呂は、お祭りの時や年末年始など限定された期間のみ一般開放されるんだとか。私は未訪問ですが、ネット上の画像を拝見すると魅力的な造りをしており、機会があれば一度は行ってみたいものです。



「ぴあ小山田」の建物には特に入浴に関する案内は掲示されておらず、事前に知識がないとここに温泉浴場があるだなんてわかりませんが、私のような一見の完全な部外者でも問題なく利用することができ、玄関ホールに入って右側にある受付で入浴したい旨を申し出ますと、料金の支払いとともに台帳への記名を求められます。貴重品を預けるロッカーは受付の斜め前に設置されているのですが、もし利用の際は受付でカギを借り、10円玉2枚を用意して有料で利用することとなります。受付の右奥には上画像のようなラウンジスペースが広がっており、食堂も営業していました。


 
浴室は受付前の階段でワンフロア下へ降りてゆきます。階段を下りきってすぐ左手には、陶器のキツネやイラストなどによって童話の世界を立体化したような装飾が施されている飲泉所があり、3本の竹筒からかなり熱い源泉が落とされていました。柄杓に汲んで、フーフー吹いてよく冷ましてから実際に飲んでみますと、重曹味+ほろ苦み+微金気味と、弱ミシン油臭+微モール臭のような匂いが感じられました。いまから入るお風呂にはこのお湯がかけ流しで利用されているんですね。もうワクワクしちゃいます。


 
医療福祉関係の施設ですから施設内の衛生管理は徹底されており、脱衣室は清潔な状態が維持されていてとっても快適です。エアコンが効いているのもありがたいところ。尤も、温泉風情を楽しむ場所じゃありませんから、どうしても無機質な雰囲気は否めませんが、それでも棚の戸には木目の化粧板が貼られていて、見た目の印象を和らげていました。



温泉認定医による「正しい温泉入浴法」が掲示されているところは、いかにも病院らしいですね。



浴室は半地下に設けられているものの、大きな窓の外側は吹き抜けのようになっているので、とても地下とは思えない明るい環境です。また、手すりが完備されていたり、体が不自由な人向けの入浴用椅子が用意されていたりと、福祉的な設備もバッチリです。



洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基設置されており、お湯は源泉が給湯されていました。湧出量が毎分830Lとかなり豊富なので、シャワーにも温泉が使えるんですね。


 
源泉がドバドバ吐き出されている湯口には湯の花キャッチャー代わりに布が巻かれており、その効果があらわれているのか、湯中では特に湯の花らしき浮遊物は見当たりません。お湯は薄い黄色の透明で、味や匂いは飲泉所で感じた通り、惜しげも無くしっかりと掛け流されておリ、お湯の鮮度感は抜群です。また長めに全身浴していると肌にはうっすらと気泡が付着します。ツルツルスベスベ浴感がはっきりしており、思わず何度も肌を擦りたくなるほど爽快です。



内湯のガラス窓の外側は露天風呂が設けられています。実用本位な内湯と違ってこちらは岩風呂となっており、半地下であるために景色は眺められませんが、余裕を持って掘り下げられているために入浴しながら青空を仰ぐことができ、また擁壁も温泉風情を醸し出すためか岩積みになっています。
この露天には湯口が無く、どこからお湯が供給されているのかと探してみたら、建物の内外を隔てているはずの大きなガラス窓は浴槽内まで仕切っておらず、湯船は内湯と露天が一体化されており、内湯浴槽の一部が屋外へせり出して(はみ出て)露天風呂としての役割も同時に担っているような造りになっていました。従いまして露天のお湯は内湯と同じであり、内湯のお湯は露天側へと向かい、岩風呂の切掛けから排湯される、という流れができていました。


薄い黄色透明で重曹泉型の単純泉という、三重県平野部の温泉の典型例ですが、知覚ははっきりしており、鮮度感も浴感も素晴らしく、飲泉もでき、その上湯量が豊富でふんだんにかけ流されているのですから、典型例というより代表例と評価したほうがいいかもしれません。


アルカリ性単純温泉 56.8℃ pH8.6 830L/min 溶存物質0.49g/kg 成分総計0.49g/kg 
Na+:124.9mg(95.6mval%),
HCO3-:289.2mg(86.03mval%), CO3--:11.1mg(6.72mval%),
H2SiO3:40.1mg,

関西本線・四日市駅または近鉄名古屋線・近鉄四日市駅より三重交通バスの小山田病院行で終点下車すぐ目の前(近鉄四日市より約35分)
三重県四日市市山田町5570-4  地図
059-328-2907(小山田温泉地域交流ホーム)
小山田記念温泉病院ホームページ

9:30~21:00(受付20:30まで)
500円
ロッカー(有料20円・カギは受付で借りる)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (6)
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