温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

遠刈田温泉 あづまや旅館

2012年11月06日 | 宮城県
 
遠刈田温泉のランドマークである公衆浴場「神の湯」って、週末はもちろんのこと、いつ訪れても混んでいることが多いですね(もちろん時間帯によるのでしょうけど)。人気を集めているのは大いに結構ですが、ひと気の少ないお風呂で静かにゆっくり湯浴みしたいのも正直なところであり、どこかいい施設はないかと多くの観光客で賑わう「神の湯」前でキョロキョロ辺りを見回していたら、その右斜め前に位置する「あづまや旅館」の玄関に「日帰り温泉入浴どうぞ」と貼り出されているのを発見し、その掲示の通りに立ち寄り入浴ウェルカムな雰囲気だったので、「湯めぐり手形」を片手にお邪魔してみることにしました。


 
広いロビーに置かれたガラスケースには遠刈田名物のこけしが陳列されています。フロントで手形を提示し入浴を乞うと、快く対応してくださいました。


 
フロント右手から伸びる廊下を奥へと進みます。途中右手に開ける窓の外には温泉の貯湯タンクが設置されており、タンクからはグツグツと音を立てながら湯気が上がっていました。


 
お風呂は男女別の内湯が一室ずつで露天はありません。脱衣室は昭和後期の中小旅館に見られる一般的な造りで、ロッカーこそ無いものの、隅々まできちんと手入れされており、綺麗で清潔です。洗面台には宿泊客用と思しきカミソリが用意されていました。
浴室との仕切りにはフロストガラスが用いられており、浴室を通して外の柔らかい光が入って来るほか、室内面積をより広く見せる効果をもたらしていました。


 
タイル貼りの浴室は二方向が大きなガラス窓になっており、フロストガラスを用いているため窓を閉め切ると外を眺めることはできませんが、昼間でしたら照明を全く必要としない充分すぎる採光が得られ、とても明るい室内のおかげで、今回の入浴中は上向きな気分で利用することができました。



洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されています。


 
岩組みの湯口からは50℃以上はあるかなり熱い源泉が注がれています。湯口周りの石をよく見ると、白い硫酸塩の析出が析出していました。私の訪問時は先客がしばらくいなかったのか、湯船がかなり熱くて試しに脚を突っ込んでみても脛がヒリヒリして堪らなかったため、たっぷり加水してから入浴することにしました。



赤い石に縁取られた浴槽は6~8人サイズといったところでしょうか。湯船のお湯は浴槽縁の切り欠けから常時ふんだんに溢れ出ており、床のタイルを一筋に赤く染めながら排水口へと流れてゆきます。
こちらで使用してる源泉は遠刈田7号泉で、お湯の色はビタミン系栄養ドリンク(ハイシーなど)を思わせる明るい山吹色を帯びた笹濁りに見えます(もしかしたら浴槽タイルの色に影響されてそのように見えているかもしれません)。遠刈田らしい新鮮な金気の味・匂いの他、石膏や芒硝の知覚もそれぞれはっきりと感じられました。明るく気持ちよい浴室で、掛け流しの遠刈田のお湯を楽しめる、好印象の施設でした。


遠刈田7号泉
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 68.7℃ pH7.0 蒸発残留物2081mg/kg 溶存物質2256.2mg/kg 
Na+:389.8mg(52.87mval%), Ca++:276.0mg(42.92mval%),
Cl-:234.1mg(21.58mval%), SO4--:876.6mg(59.66mval%), HCO3-:342.1mg(18.34mval%),
H2SiO3:74.7mg, CO2:186.3mg,
源泉が高温のため常時加水
加温循環消毒なし

白石蔵王駅・白石駅または大河原駅よりミヤコーバスの遠刈田温泉方面行バスで遠刈田湯の町バス停下車・徒歩1分
宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉本町8
0224-34-2116
ホームページ

立寄り入浴10:00~17:00
500円(または「湯めぐり手形」シール5枚)
(遠刈田の湯めぐり手形は2012年9月に販売終了となりました)
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント
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