立ち入り規制が実施されて以来、カムイワッカ湯の滝には行く価値が無くなったとお嘆きの方もいらっしゃいますが、判官贔屓な人生で毎日を過ごしている私としては、そんな哀れな存在となり下がった湯の滝に対して憐憫の情を抱いてしまい、たとえ結果として評判通りにつまらなかったとしても、何としてでも足跡を残さねばならないという衝動に駆られたので、前回取り上げたウトロの「国民宿舎桂田」に泊まった翌朝、車で行ってみることにしました。
カムイワッカ湯の滝へのアクセスは、期間によってマイカーがOKだったり、逆にシャトルバス以外でのアクセスが不可だったりと、交通規制が細かく区分されていますが、私が訪れた時期はシーズンオフでしたので、交通規制は解除されており、乗用車で現地まで行く事が可能でした。いや、規制解除によりシャトルバスの運行が終わってしまったので、公共交通機関でのアクセスはできない状態でした。知床五湖の手前で右折し、知床林道へと入っていきます。
林道の正面に滝が小さく見えてくると、やがて駐車場に到着です。シーズン中でマイカー規制が解除されている時期には多くの客で賑わっているのでしょうけど、朝早いからか、肌寒くて川歩きするシーズンじゃないからか、この時の観光客の姿はまばらでした。
滝の入口には仮設のトイレと更衣室が設置されていますが、私は宿を出発する時に水着への着替えを済ませていましたので、足元をサンダル(※)に履き替えただけでここでの準備は完了です。
ネット上での皆さんの訪問記を拝見していますと、川や滝を歩くときはとても滑りやすかった、という記述が多く見られますが、私の実感では、川ではなく、この看板脇の岩を登り降りするときが一番滑りやすくて怖かったです。
(※ サンダルは踵が固定できるストラップ付きのタイプです)
さて、湯の川の中を歩きはじめましょう。立入禁止のところはロープが張ってありますから、そこからはみ出さなければ無問題。ゆっくり歩けば滑ることもありませんでした。
カムイワッカ湯の滝といえば混雑しているもの、という先入観があったのですが、上述のように観光客の姿はとても少なく、しかも濡れるのを嫌ってか、皆さん川には入らずに手前で引き返してしまうので、川の中を歩いているのは私一人だけでした。
100メートルも歩かないうちに「一の滝」到着。皆様ご承知の通り、現在はこの「一の滝」とその奥の数十メートルまでしか行けません。ネット上でよく見る混雑時の光景が嘘であるかのように、「一の滝」には人っ子一人いませんでした。混雑しているのも嫌ですが、あんまり寂しすぎるのも拍子抜けですね。
誰も居ないことをいいことに、水着すら脱ぎ捨て、スッポンポンで「一の滝」の滝壺へ入浴してみました。お湯は薄い黄色の透明で、非常に酸っぱく、塩味や渋みなどの雑味が無いストレートな酸味です。これで湯加減が良ければ最高なのですが、滝壺の温度は26.5℃しかなく、気温は15℃ですから、画像に写っている私は一応バンザイしていますけど、早い話が虚勢を張っているようなものでして、一度滝壺の中に入ったら寒くてなかなか出ることができずに困ってしまいました。判官贔屓なんて生意気言って、無理して入るんじゃなかった…。後悔しきりです…。
頑迷な私は、寒いついでに意地を張って裸のまんま、滝を登ってもうちょっと上へ遡ってみることにしました。
「一の滝」を登って数十メートルで規制のロープが張られており、これより先に行くことはできません。
ロープ越しに上流を撮影。あぁ、奥へ行きたいな…。少しでも上流に行けば多少は温かくなるだろうと淡い期待していたのですが、この辺りの湯温も「一の滝」と殆ど同じでして、温かいお湯にありつけることなく、全身に鳥肌を立てながら「一の滝」へと戻っていきました。
全身の水滴を拭って服を纏い、滑らないよう慎重に歩きながら駐車場へ戻ると、湯の滝の下流に当たる谷の上で、自衛隊の
ヘリコプターがホバリングしていました。訓練にしてはおかしいな。何かあったのかな?
実はこの時、キノコ狩りに山へ入った何処かの爺様が遭難してしまったらしく、警察や消防、そして自衛隊や地元の登山会が大量動員されて捜索に当たっていたのでした。爺様は帰宅予定から一日経っても戻って来なかったために捜索依頼が出されたそうですが、果たして無事見つかったのでしょうか。夜間は冷え込みますし、クマさんが多い場所でもありますから、とても心配です。
私は今秋、石川県白山の岩間温泉でも遭難現場に遭遇しており(拙ブログの当該記事を参照)、立て続けにこのような現場を目にすることによって、山岳事故・遭難に関するレスキューの出動回数が全国的に増加しているという現状を図らずも実感することになりました。こうした事故を他山の石とし、今後の山行ではなお一層気を引き締めなければいけないと、常に単独行で登山している自分を戒めた次第です。(余談ですが私のように単独行を好む方はぜひ「ドキュメント 単独行遭難 」(羽根田治著 山と渓谷社)を一読あれ)
カムイワッカ湯の滝へのアクセスは、期間によってマイカーがOKだったり、逆にシャトルバス以外でのアクセスが不可だったりと、交通規制が細かく区分されていますが、私が訪れた時期はシーズンオフでしたので、交通規制は解除されており、乗用車で現地まで行く事が可能でした。いや、規制解除によりシャトルバスの運行が終わってしまったので、公共交通機関でのアクセスはできない状態でした。知床五湖の手前で右折し、知床林道へと入っていきます。
林道の正面に滝が小さく見えてくると、やがて駐車場に到着です。シーズン中でマイカー規制が解除されている時期には多くの客で賑わっているのでしょうけど、朝早いからか、肌寒くて川歩きするシーズンじゃないからか、この時の観光客の姿はまばらでした。
滝の入口には仮設のトイレと更衣室が設置されていますが、私は宿を出発する時に水着への着替えを済ませていましたので、足元をサンダル(※)に履き替えただけでここでの準備は完了です。
ネット上での皆さんの訪問記を拝見していますと、川や滝を歩くときはとても滑りやすかった、という記述が多く見られますが、私の実感では、川ではなく、この看板脇の岩を登り降りするときが一番滑りやすくて怖かったです。
(※ サンダルは踵が固定できるストラップ付きのタイプです)
さて、湯の川の中を歩きはじめましょう。立入禁止のところはロープが張ってありますから、そこからはみ出さなければ無問題。ゆっくり歩けば滑ることもありませんでした。
カムイワッカ湯の滝といえば混雑しているもの、という先入観があったのですが、上述のように観光客の姿はとても少なく、しかも濡れるのを嫌ってか、皆さん川には入らずに手前で引き返してしまうので、川の中を歩いているのは私一人だけでした。
100メートルも歩かないうちに「一の滝」到着。皆様ご承知の通り、現在はこの「一の滝」とその奥の数十メートルまでしか行けません。ネット上でよく見る混雑時の光景が嘘であるかのように、「一の滝」には人っ子一人いませんでした。混雑しているのも嫌ですが、あんまり寂しすぎるのも拍子抜けですね。
誰も居ないことをいいことに、水着すら脱ぎ捨て、スッポンポンで「一の滝」の滝壺へ入浴してみました。お湯は薄い黄色の透明で、非常に酸っぱく、塩味や渋みなどの雑味が無いストレートな酸味です。これで湯加減が良ければ最高なのですが、滝壺の温度は26.5℃しかなく、気温は15℃ですから、画像に写っている私は一応バンザイしていますけど、早い話が虚勢を張っているようなものでして、一度滝壺の中に入ったら寒くてなかなか出ることができずに困ってしまいました。判官贔屓なんて生意気言って、無理して入るんじゃなかった…。後悔しきりです…。
頑迷な私は、寒いついでに意地を張って裸のまんま、滝を登ってもうちょっと上へ遡ってみることにしました。
「一の滝」を登って数十メートルで規制のロープが張られており、これより先に行くことはできません。
ロープ越しに上流を撮影。あぁ、奥へ行きたいな…。少しでも上流に行けば多少は温かくなるだろうと淡い期待していたのですが、この辺りの湯温も「一の滝」と殆ど同じでして、温かいお湯にありつけることなく、全身に鳥肌を立てながら「一の滝」へと戻っていきました。
全身の水滴を拭って服を纏い、滑らないよう慎重に歩きながら駐車場へ戻ると、湯の滝の下流に当たる谷の上で、自衛隊の
ヘリコプターがホバリングしていました。訓練にしてはおかしいな。何かあったのかな?
実はこの時、キノコ狩りに山へ入った何処かの爺様が遭難してしまったらしく、警察や消防、そして自衛隊や地元の登山会が大量動員されて捜索に当たっていたのでした。爺様は帰宅予定から一日経っても戻って来なかったために捜索依頼が出されたそうですが、果たして無事見つかったのでしょうか。夜間は冷え込みますし、クマさんが多い場所でもありますから、とても心配です。
私は今秋、石川県白山の岩間温泉でも遭難現場に遭遇しており(拙ブログの当該記事を参照)、立て続けにこのような現場を目にすることによって、山岳事故・遭難に関するレスキューの出動回数が全国的に増加しているという現状を図らずも実感することになりました。こうした事故を他山の石とし、今後の山行ではなお一層気を引き締めなければいけないと、常に単独行で登山している自分を戒めた次第です。(余談ですが私のように単独行を好む方はぜひ「ドキュメント 単独行遭難 」(羽根田治著 山と渓谷社)を一読あれ)