※前回記事(知内温泉 ユートピア和楽園 知内温泉旅館 前編)の続きです。
旧浴室に続いて、今度は新浴室と露天風呂へと向かいましょう。一旦帳場まで戻り、更にそこを通過して反対側へと廊下を進んでゆきます。突き当たりのクランクを抜けると別棟へと移り、同時に浴室入口が目に入ってきました。1台のマッサージチェアーを挟んで右手が女湯で左手が男湯。
こちらの脱衣室は旧浴室と比べてはるかに狭く、旅館というより民宿やジモ専クラスのこじんまりした空間です。室内には昭和4年の分析表の写しが掲示されていまして、その中から主要な数値をピックアップしてみますと、固形物総量2.4860g/kg、クロール(塩化)ナトリウム0.9424、クロールカルシウム0.5546、クロールカリウム0.2392、硫酸カルシウム0.2816、重炭酸カルシウム0.3515などとなっています。現在では溶存物質3.010g/kg(成分総計3.580g/kg)ですから戦前は現在よりも成分が薄かったようですね。
脱衣室同様に浴室も旧浴室と比べたら一回りも二回りも小さく、そんな室内には浴槽が大小2つに分かれて据えられています。大きな方は主浴槽で、小さな方は浅い造りの寝湯になっています。丸太を積み上げたような意匠の男女仕切りの上には、旧浴室と同じく木を模した飾りが立っていました。洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されており、シャンプーなどはありませんが石鹸でしたら備え付けが用意されていました。
左側の浴槽(画像左または上)は寝湯で、右側の浴槽(画像右または下)が主浴槽です。主浴槽は6~7人サイズなのですが、槽内では男女間の仕切りが無く、両浴室で一体型となっていました。一方寝湯には丸太が2本横たえられており、これを枕にして入浴するもの思われます。
主浴槽の隅の石組みから源泉が主浴槽へと注がれており、お湯は一旦主浴槽を満たしてから隣の寝湯へと流れ、寝湯から排水口へと落とされています。旧浴室と同じく床には千枚田のような石灰華が形成されていますが、湯口→主浴槽→排水口という流れができており、旧浴室と比べ浴槽から床へ流れるオーバーフロー量が少ないためか、こちらの千枚田はボリュームが少なく、析出がタイルにこびりついている程度です。
お湯はやや橙色を帯びた山吹色に笹濁り、赤みが強い橙色の湯華が湯中で沢山浮遊しています。また寝湯には温泉成分による粉状の膜が浮かんでいました。こうした浮遊物は浴槽内にも多く沈殿しているのか、槽内に触れた足裏や手のひらはオレンジ色に染まっていました。湯口に置かれているコップで飲泉してみると、薄い塩味+石灰味+赤錆系新鮮金気味+重炭酸土類泉的な味覚+炭酸味といったように、旧浴室よりも複雑な味が舌に残り、特に炭酸味については口腔内にしぶとく残って独特の酸味を主張していました。ツルスベとキシキシが混在する浴感ですが、旧浴室のお湯よりもキシキシが強いように感じられました。
最後に露天風呂へ。
客室が並ぶ廊下を歩くと途中で露天風呂へ出る扉があるので、そこから屋外に出てアクリル板に囲まれた専用通路を進みます。
すると旅館の裏手に出てきました。この立方体のコンクリの塔は温泉の源泉井でしょうか。
アクリル波板の囲いが無くなると、その正面に露天風呂の東屋が目に入ってきました。一応囲いはあるもののかなりオープンな造りになっており、脱衣もこの東屋にて行うんですね。露天はこのひとつしかないので混浴になるわけですが、女性にはちょっとハードルが高いかもしれません。
露天の湯船には新浴室と同じ源泉が注がれており、お湯は橙色を帯びた山吹色に濁っています。実際に入ってみますと、とっても心地よい湯加減でした。湯船の上は屋根に覆われていますから、多少の雨や雪でしたら支障なく入浴できるかと思います。
日本庭園風の露天風呂。湯船の傍では紅葉が燃え盛るような真紅に色づいていました。
湯ノ里4号井(甲)
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 49.6℃ pH6.7 370L/min(動力揚湯) 溶存物質3.010g/kg 成分総計3.580g/kg
Na+:675.0mg(69.00mval%), Mg++:53.5mg(10.34mval%), Ca++:115.4mg(13.54mval%),
Cl-:855.9mg(56.61mval%), HCO3-:1067mg(41.02mval%),
H2SiO3:55.0mg, HBO2:26.2mg, CO2:569.9mg,
北海道上磯郡知内町湯の里284 地図
01392-6-2341
7:00~21:00
430円
ロッカー有料(100円)・石鹸あり・ドライヤーなし
私の好み:★★
旧浴室に続いて、今度は新浴室と露天風呂へと向かいましょう。一旦帳場まで戻り、更にそこを通過して反対側へと廊下を進んでゆきます。突き当たりのクランクを抜けると別棟へと移り、同時に浴室入口が目に入ってきました。1台のマッサージチェアーを挟んで右手が女湯で左手が男湯。
こちらの脱衣室は旧浴室と比べてはるかに狭く、旅館というより民宿やジモ専クラスのこじんまりした空間です。室内には昭和4年の分析表の写しが掲示されていまして、その中から主要な数値をピックアップしてみますと、固形物総量2.4860g/kg、クロール(塩化)ナトリウム0.9424、クロールカルシウム0.5546、クロールカリウム0.2392、硫酸カルシウム0.2816、重炭酸カルシウム0.3515などとなっています。現在では溶存物質3.010g/kg(成分総計3.580g/kg)ですから戦前は現在よりも成分が薄かったようですね。
脱衣室同様に浴室も旧浴室と比べたら一回りも二回りも小さく、そんな室内には浴槽が大小2つに分かれて据えられています。大きな方は主浴槽で、小さな方は浅い造りの寝湯になっています。丸太を積み上げたような意匠の男女仕切りの上には、旧浴室と同じく木を模した飾りが立っていました。洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されており、シャンプーなどはありませんが石鹸でしたら備え付けが用意されていました。
左側の浴槽(画像左または上)は寝湯で、右側の浴槽(画像右または下)が主浴槽です。主浴槽は6~7人サイズなのですが、槽内では男女間の仕切りが無く、両浴室で一体型となっていました。一方寝湯には丸太が2本横たえられており、これを枕にして入浴するもの思われます。
主浴槽の隅の石組みから源泉が主浴槽へと注がれており、お湯は一旦主浴槽を満たしてから隣の寝湯へと流れ、寝湯から排水口へと落とされています。旧浴室と同じく床には千枚田のような石灰華が形成されていますが、湯口→主浴槽→排水口という流れができており、旧浴室と比べ浴槽から床へ流れるオーバーフロー量が少ないためか、こちらの千枚田はボリュームが少なく、析出がタイルにこびりついている程度です。
お湯はやや橙色を帯びた山吹色に笹濁り、赤みが強い橙色の湯華が湯中で沢山浮遊しています。また寝湯には温泉成分による粉状の膜が浮かんでいました。こうした浮遊物は浴槽内にも多く沈殿しているのか、槽内に触れた足裏や手のひらはオレンジ色に染まっていました。湯口に置かれているコップで飲泉してみると、薄い塩味+石灰味+赤錆系新鮮金気味+重炭酸土類泉的な味覚+炭酸味といったように、旧浴室よりも複雑な味が舌に残り、特に炭酸味については口腔内にしぶとく残って独特の酸味を主張していました。ツルスベとキシキシが混在する浴感ですが、旧浴室のお湯よりもキシキシが強いように感じられました。
最後に露天風呂へ。
客室が並ぶ廊下を歩くと途中で露天風呂へ出る扉があるので、そこから屋外に出てアクリル板に囲まれた専用通路を進みます。
すると旅館の裏手に出てきました。この立方体のコンクリの塔は温泉の源泉井でしょうか。
アクリル波板の囲いが無くなると、その正面に露天風呂の東屋が目に入ってきました。一応囲いはあるもののかなりオープンな造りになっており、脱衣もこの東屋にて行うんですね。露天はこのひとつしかないので混浴になるわけですが、女性にはちょっとハードルが高いかもしれません。
露天の湯船には新浴室と同じ源泉が注がれており、お湯は橙色を帯びた山吹色に濁っています。実際に入ってみますと、とっても心地よい湯加減でした。湯船の上は屋根に覆われていますから、多少の雨や雪でしたら支障なく入浴できるかと思います。
日本庭園風の露天風呂。湯船の傍では紅葉が燃え盛るような真紅に色づいていました。
湯ノ里4号井(甲)
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 49.6℃ pH6.7 370L/min(動力揚湯) 溶存物質3.010g/kg 成分総計3.580g/kg
Na+:675.0mg(69.00mval%), Mg++:53.5mg(10.34mval%), Ca++:115.4mg(13.54mval%),
Cl-:855.9mg(56.61mval%), HCO3-:1067mg(41.02mval%),
H2SiO3:55.0mg, HBO2:26.2mg, CO2:569.9mg,
北海道上磯郡知内町湯の里284 地図
01392-6-2341
7:00~21:00
430円
ロッカー有料(100円)・石鹸あり・ドライヤーなし
私の好み:★★