拙ブログの2012年は、鄙び系の温泉ファンにはおなじみの「盤石温泉」で締めくくらせていただきます。上画像の地点から林道へと入り、橋を渡ってダートを道なりに進むこと数百メートル…
駐車スペースは2台分ぐらいでしょうか。車を止めて、「気を付けて渡って下さい」と書かれた立札の橋を渡たり、沢の対岸へ。
トタンの小屋は、いかにもマニアが狂喜しそうな佇まいですね。
「盤石山荘」と彫られた扁額の文字は、手作り感があふれる味わいのある字体。
小屋の真裏に源泉があって、パイプで浴槽へ直送されているから、お湯の鮮度は抜群なんですね。
お邪魔しまーす。
小屋の中は無人。何かしらの控室のごとく、室内には長椅子やテーブルなどが置かれ、この日はタオルの類がたくさん干されていました。長椅子にはプラスチックの籠が置かれているので、この場で着替えるわけです。
壁には「歓喜」と書かれたポストがくくりつけられており、その言葉から察するに寸志箱だと思われましたので、喜んで寄付させていただきました、その傍らにはジッパー付きのビニルケースの中にノートが収められており、「入浴頻度調査中」とのことで、私も訪問日と名前、そして一言コメントを記入したのですが、記入ついでにノートをパラパラとめくったところ、平均して一日2人くらいのお客さんがこの温泉目指してやってくるようですね。
浴槽は石を組んでモルタルで固めたような造りをしており、膝をたたんで詰めれば3人は入れそうですが、一人でしたら悠然と寛げそうなサイズです。当然ながらカランなんてものは無し。床にはスノコが敷かれています。
お湯は若干貝汁濁りのようにも見えますがほぼ無色透明で、口に含むとしっかりとした塩味とともに、出汁味と金気味、そして明瞭な炭酸味が感じられ、お湯を手に汲んで鼻に近づけると金気臭が嗅ぎ取れたと同時に、炭酸ガスのためか軽く咽てしまいました。
源泉投入量は結構多く、入浴客がいようといまいとお構いなしに湯船は新鮮なお湯を湛えつづけ、そのお湯は惜しげもなく掛け捨てられています。湯使いは源泉100%の完全かけ流しで、こんな質素な湯小屋ですから加温循環なんてものとは無縁ですが、加水すらも行われておらず、源泉からダイレクトに注がれたお湯がそのまんまで絶妙な湯加減となっており、ツルツルな浴感も相俟って、一旦この極上なお湯に浸かっちゃうと、魅力を超えた魔力が私の心を掴んで離さず、すっかり虜になってしまって、お風呂から出ようにも出られなくなってしまいました。質素な佇まいだけでもマニアを引き付けるには十分な魅力を有していますが、それ以上にお湯の質感が最高ですね。
本年も拙ブログをご覧くださり、ありがとうございました。
質より量というべき低レベルの記事を羞恥心も無く連日晒してしまいましたが、それにもかかわらずお付き合いくださり、心から感謝申し上げます。年始は数日休載させていただきます。来年も変わらぬご贔屓を。それでは良いお年をお迎えください。
K-I