※残念ながら2014年9月に閉館しました。
アップルの壁紙に採用されたとして俄然脚光を浴びるようになった美瑛町の青い池。私が訪問した日は多くの観光客で賑わっていました。でも写真の素人が安物のコンデジで撮ったところで美しい画像になるはずもなく、いろいろと撮り方を変えて試してみたものの、結局ただの凡庸な池にしか映りません。
青い池から程近いところにある白金温泉でひとっ風呂浴びて写真のことは忘れようと思い立ち、車を走らせていて偶々目に入った「銀瑛荘」へ立ち寄ってみることにしました。メインストリート沿いという立地に加えて、どことなく鄙びた雰囲気の建物に惹かれてしまったのです。また比較的料金設定が高い白金温泉にあって、500円という入りやすい料金を看板で明示している点も魅力的でした。
玄関を入ると窓口でおじさんが対応してくれ、その際に画像のようなスタンプカードを手渡してくれました。普通のコピー用紙にインクジェットのプリンターで印刷したような手作り感溢れるカードです。どうやらこちらのお宿では日帰り入浴を積極的に受け入れているんですね。
帳場の隣にある休憩室には、テーブルやパイプ椅子の他に、エアホッケーなど懐かしい遊具類が置かれていました(画像なし)。一般的に温泉旅館の古典的な遊具といえば卓球ですが、それよりはるかに新しい物であるはずのエアホッケーが置いてあるだけで、その部屋の時間が遅れているような感覚になるのは不思議なものです。例えて言うなら、車って中途半端に古いと単なる型落ちのポンコツですが、何十年も前の型ですとヴィンテージ車としての価値が生まれて珍重されたりするのと似たようなもので、エアホッケーみたいな中途半端に古い物品は、まだ骨董的価値が発生していないので、10年落ちくらいの、最も査定金額が低い中古車みたいなもんなんでしょうね。
閑話休題、浴場手前の階段脇にはコインロッカーが設置されているので、貴重品はこちらへ預けましょう。休憩室のエアホッケーが予感させてくれた通り、脱衣室には昭和後期の中小旅館らしい空気が漂っています。
石板によって描かれた太陽と山の微笑ましい壁絵が印象的な浴室には、縁が凹凸の曲線を描くP字形のような形状の浴槽がひとつ据えられており、浴槽の上には室内に明かりをもたらす窓ガラスが嵌められています。洗い場は浴室右手に配置されており、シャワー付き混合水栓が3つ並んでいます。
床を中心にして橙色に染まっているような印象を受ける浴室内。浴槽の窓側湯面下側面より源泉が供給されており、そのお湯はやや緑色がかったくすんだ山吹色に弱く濁っています。濃い目の重炭酸土類泉のような味や匂い、鉄錆系の金気、石膏感、正苦味泉的な知覚、そして微かな塩味が感じられ、全身を湯船に沈ませるとキシキシと引っ掛かりのある浴感が得られました。放流式の湯使いでして、お湯は浴槽の縁からしずしずとオーバーフローしており、浴槽縁は析出がコテコテに付着し、珊瑚礁のようにトゲトゲが形成されています。
ガラス窓を挟んだ外側は露天風呂。全体を屋根が覆っているので雨が降っても大丈夫ですが、隣接している施設との隔たりが近いために周囲は塀で囲まれており、湯船に浸かると視界が遮られて空しか見えません。また全体的なスペースに余裕がなく、お湯から上がって一休みできるような場所もありません。でもちゃんと風は流れてきますから、白金の清涼で爽やかな空気に包まれながら湯浴みすることができます。
浴槽の中央には四角い岩が置かれ、それを取り囲むように8人は入れそうな大きさです。訪問時には源泉の投入量が絞り気味であったために少々ぬるかったのですが、塀には湯もみ板が立てかけられていたので、普段はそれを必要とするほど熱いのかもしれません。内湯の方がお湯の鮮度感は良好でした。
獅子の湯口は使われておらず、その代わり獅子の横から突き出ている塩ビのパイプが湯面下へと潜り込み、その先から熱い源泉が吐出されていました。湯口まわりの岩には鱗状の小さな石灰華ができており、また内湯同様に、浴槽の周りにはサンゴを思わせるトゲトゲが形成されており、深緑色のコケらしきものも発生していました。この手のお湯がもし野湯で存在していたら、すぐに藻や苔が大発生しちゃうかもしれませんね。なおお湯は強く濁っており、浴槽の底はほとんど見えません。内湯と同じくこちらも放流式の湯使いでして、出入口近くのステップ脇に設けられた水平方向に伸びている塩ビ管から排湯されていました。
白金温泉の掛け流しのお湯を内湯と露天の両方で楽しめる、庶民的な風情が嬉しい施設でした。
白金14号・15号・19号混合泉
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 46.1℃ pH6.4 湧出量不明 溶存物質5.054g/kg 成分総計5.329g/kg
Na+:685.9mg(40.51mval%), Mg++:257.7mg(28.78mval%), Ca++:392.1mg(26.7mval%),
Cl-:787.5mg(30.43mval%), SO--:1852mg(52.84mval%), HCO3-:744.4mg(16.72mval%),
H2SiO3:198.8mg, CO2:274.6mg,
北海道上川郡美瑛町字白金温泉 地図
0166-94-3005
ホームページ
日帰り入浴10:00~18:30(入館18:00まで)
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★
アップルの壁紙に採用されたとして俄然脚光を浴びるようになった美瑛町の青い池。私が訪問した日は多くの観光客で賑わっていました。でも写真の素人が安物のコンデジで撮ったところで美しい画像になるはずもなく、いろいろと撮り方を変えて試してみたものの、結局ただの凡庸な池にしか映りません。
青い池から程近いところにある白金温泉でひとっ風呂浴びて写真のことは忘れようと思い立ち、車を走らせていて偶々目に入った「銀瑛荘」へ立ち寄ってみることにしました。メインストリート沿いという立地に加えて、どことなく鄙びた雰囲気の建物に惹かれてしまったのです。また比較的料金設定が高い白金温泉にあって、500円という入りやすい料金を看板で明示している点も魅力的でした。
玄関を入ると窓口でおじさんが対応してくれ、その際に画像のようなスタンプカードを手渡してくれました。普通のコピー用紙にインクジェットのプリンターで印刷したような手作り感溢れるカードです。どうやらこちらのお宿では日帰り入浴を積極的に受け入れているんですね。
帳場の隣にある休憩室には、テーブルやパイプ椅子の他に、エアホッケーなど懐かしい遊具類が置かれていました(画像なし)。一般的に温泉旅館の古典的な遊具といえば卓球ですが、それよりはるかに新しい物であるはずのエアホッケーが置いてあるだけで、その部屋の時間が遅れているような感覚になるのは不思議なものです。例えて言うなら、車って中途半端に古いと単なる型落ちのポンコツですが、何十年も前の型ですとヴィンテージ車としての価値が生まれて珍重されたりするのと似たようなもので、エアホッケーみたいな中途半端に古い物品は、まだ骨董的価値が発生していないので、10年落ちくらいの、最も査定金額が低い中古車みたいなもんなんでしょうね。
閑話休題、浴場手前の階段脇にはコインロッカーが設置されているので、貴重品はこちらへ預けましょう。休憩室のエアホッケーが予感させてくれた通り、脱衣室には昭和後期の中小旅館らしい空気が漂っています。
石板によって描かれた太陽と山の微笑ましい壁絵が印象的な浴室には、縁が凹凸の曲線を描くP字形のような形状の浴槽がひとつ据えられており、浴槽の上には室内に明かりをもたらす窓ガラスが嵌められています。洗い場は浴室右手に配置されており、シャワー付き混合水栓が3つ並んでいます。
床を中心にして橙色に染まっているような印象を受ける浴室内。浴槽の窓側湯面下側面より源泉が供給されており、そのお湯はやや緑色がかったくすんだ山吹色に弱く濁っています。濃い目の重炭酸土類泉のような味や匂い、鉄錆系の金気、石膏感、正苦味泉的な知覚、そして微かな塩味が感じられ、全身を湯船に沈ませるとキシキシと引っ掛かりのある浴感が得られました。放流式の湯使いでして、お湯は浴槽の縁からしずしずとオーバーフローしており、浴槽縁は析出がコテコテに付着し、珊瑚礁のようにトゲトゲが形成されています。
ガラス窓を挟んだ外側は露天風呂。全体を屋根が覆っているので雨が降っても大丈夫ですが、隣接している施設との隔たりが近いために周囲は塀で囲まれており、湯船に浸かると視界が遮られて空しか見えません。また全体的なスペースに余裕がなく、お湯から上がって一休みできるような場所もありません。でもちゃんと風は流れてきますから、白金の清涼で爽やかな空気に包まれながら湯浴みすることができます。
浴槽の中央には四角い岩が置かれ、それを取り囲むように8人は入れそうな大きさです。訪問時には源泉の投入量が絞り気味であったために少々ぬるかったのですが、塀には湯もみ板が立てかけられていたので、普段はそれを必要とするほど熱いのかもしれません。内湯の方がお湯の鮮度感は良好でした。
獅子の湯口は使われておらず、その代わり獅子の横から突き出ている塩ビのパイプが湯面下へと潜り込み、その先から熱い源泉が吐出されていました。湯口まわりの岩には鱗状の小さな石灰華ができており、また内湯同様に、浴槽の周りにはサンゴを思わせるトゲトゲが形成されており、深緑色のコケらしきものも発生していました。この手のお湯がもし野湯で存在していたら、すぐに藻や苔が大発生しちゃうかもしれませんね。なおお湯は強く濁っており、浴槽の底はほとんど見えません。内湯と同じくこちらも放流式の湯使いでして、出入口近くのステップ脇に設けられた水平方向に伸びている塩ビ管から排湯されていました。
白金温泉の掛け流しのお湯を内湯と露天の両方で楽しめる、庶民的な風情が嬉しい施設でした。
白金14号・15号・19号混合泉
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 46.1℃ pH6.4 湧出量不明 溶存物質5.054g/kg 成分総計5.329g/kg
Na+:685.9mg(40.51mval%), Mg++:257.7mg(28.78mval%), Ca++:392.1mg(26.7mval%),
Cl-:787.5mg(30.43mval%), SO--:1852mg(52.84mval%), HCO3-:744.4mg(16.72mval%),
H2SiO3:198.8mg, CO2:274.6mg,
北海道上川郡美瑛町字白金温泉 地図
0166-94-3005
ホームページ
日帰り入浴10:00~18:30(入館18:00まで)
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★