拙ブログでは全国の温泉を万遍なく訪れているつもりですが、信州の野沢温泉については、何度も訪問しているにもかかわらず何故か今まで記事にしてこなかったので、今回から数回程、当地の外湯を連続して取り上げてまいります。
野沢温泉の外湯の中でもズバ抜けて高く評価したいのがこの「真湯」。ここだけは絶対にはずせません。積雪時に訪れますと、融雪のために湯屋前の道路へ温泉を流しているので、辺りには湯気と一緒に硫黄の香りが立ち込め、路面が硫黄によって薄っすらと白くなっていることもあります。コンパクトながらも伝統的な湯屋建築がただならぬ存在感を放っていますね。「霊泉真湯」と揮毫された誇らしげな文字が踊る扁額を見上げつつ、寸志箱に気持ちを納めて中へ。
上屋自体は比較的新しいのですが、昔ながらの様式に則って建てられているため、館内は脱衣所と浴室が一体となった伝統的共同浴場らしいレイアウト。当地の外湯は地域住民によって組織される湯仲間によって維持管理されていることは有名ですが、いつ訪れても綺麗で心地良い状態が保たれており、湯仲間の皆さんのご尽力には頭がさがるばかりです。
洗い場には水道のカランが3基設置されていますが、お湯は湯船から直接桶で汲むことになります。決して大きな浴室ではなく、しかも常に熱いお湯が注がれているというのに、高い天井と湯気抜きのおかげで厳冬期でも湯気の篭りが少なく快適に利用できるのが嬉しいところです。
野沢の外湯には共通して湯ゆもみ板が備え付けられていますが、もちろん「真湯」でも同様であります。
浴槽は槽内が白いタイル貼りで縁は黒い御影石、キャパシティはおおよそ3人といったところでしょうか。中央の湯口からアツアツの源泉が投入されています。この画像を撮影した時は運良く独占できたのですが、尚一層ラッキーなことに先客がしばらくいなかった状態のようで、入浴前のお湯は美しい翡翠色を帯びながら底がはっきり見えるほどに透き通っていました。そのままでは激熱だったので加水しながら湯もみ板で掻き混ぜていると、底に沈殿していた湯の華を舞い上げながら徐々に濁り、底はおろかステップすらも見えないほど混濁していきました。しかしながら濁るといっても、単に透明度が下がるというわけではなく、あたかも老舗高級和菓子店の水菓子を彷彿とさせる透明感を維持した極めて上品な混色であり、薄い翡翠色の勾玉が青磁の壺に変貌したかのような変色なのであります。
その気品溢れる色合いにうっとりする一方、湯船へ体を沈めた時に全身を覆う、黒い羽根状の夥しい湯の華には興奮を隠すことができず、これでもかと言うほどまとわりついてくる湯の華は、湯船から上がってもしっかりと体にこびりついてくるので、日常使いのお湯としては鬱陶しいかもしれませんが、私のような湯の華が大好きな人間は欣喜雀躍してしまうこと必至です。
お湯からはタマゴ臭に噴気孔的硫化水素感をミックスしたような硫黄臭が漂っており、口にするとタマゴ味に苦味やえぐみ、そしてゴムっぽい風味が渾然一体となって感じられました。入浴中はツルスベ浴感と強い温まりが得られますが、湯上りには程よく火照りが抜け、不思議な爽快感に包まれます。
混雑度合いによって濁り方や湯の華の量に多寡がありますが、源泉の大量投入大量排出によって鮮度感は常にキープされているので、いつ利用しても一定以上の満足感が得られ、たとえ他の外湯がスキー客による混雑のために湯鈍りを起こしていたとしても、見た目の美しさは失われてしまうかもしれませんが、比較的安心して湯浴みできるかと思います(あくまでも私の体験に基づく私見ですが)。
野沢の真湯は天下の名湯ですね。
真湯第3他
単純硫黄温泉 61.2℃ pH7.6 溶存物質740.2mg/kg 成分総計755.7mg/kg
Na+:156.5mg(76.51mval%), Ca++:36.4mg(20.45mval%), Fe++:0.6mg(0.2mval%),
Cl-:77.8mg(23.70mval%), HS-:11.2mg(3.68mval%), SO4--:243.1mg(54.76mval%), HCO3-:97.6mg(17.32mval%),
H2SiO3:95.5mg, H2S:3.2mg,
源泉温度が高いため加水
加温循環消毒なし
JR飯山線・戸狩野沢温泉駅よりのざわ温泉交通の野沢温泉行路線バスで終点下車、徒歩1分
(野沢温泉バス停ではなく、その次の真湯(終点)で下車すると便利)
長野県下高井郡野沢温泉村
野沢温泉観光協会ホームページ
(バスの時刻表も観光協会のHPを参照のこと)
4月~11月→5:00~23:00、12月~3月→6:00~23:00
寸志
貴重品用ロッカーあり(100円リターン式)、他備品類なし
私の好み:★★★
野沢温泉の外湯の中でもズバ抜けて高く評価したいのがこの「真湯」。ここだけは絶対にはずせません。積雪時に訪れますと、融雪のために湯屋前の道路へ温泉を流しているので、辺りには湯気と一緒に硫黄の香りが立ち込め、路面が硫黄によって薄っすらと白くなっていることもあります。コンパクトながらも伝統的な湯屋建築がただならぬ存在感を放っていますね。「霊泉真湯」と揮毫された誇らしげな文字が踊る扁額を見上げつつ、寸志箱に気持ちを納めて中へ。
上屋自体は比較的新しいのですが、昔ながらの様式に則って建てられているため、館内は脱衣所と浴室が一体となった伝統的共同浴場らしいレイアウト。当地の外湯は地域住民によって組織される湯仲間によって維持管理されていることは有名ですが、いつ訪れても綺麗で心地良い状態が保たれており、湯仲間の皆さんのご尽力には頭がさがるばかりです。
洗い場には水道のカランが3基設置されていますが、お湯は湯船から直接桶で汲むことになります。決して大きな浴室ではなく、しかも常に熱いお湯が注がれているというのに、高い天井と湯気抜きのおかげで厳冬期でも湯気の篭りが少なく快適に利用できるのが嬉しいところです。
野沢の外湯には共通して湯ゆもみ板が備え付けられていますが、もちろん「真湯」でも同様であります。
浴槽は槽内が白いタイル貼りで縁は黒い御影石、キャパシティはおおよそ3人といったところでしょうか。中央の湯口からアツアツの源泉が投入されています。この画像を撮影した時は運良く独占できたのですが、尚一層ラッキーなことに先客がしばらくいなかった状態のようで、入浴前のお湯は美しい翡翠色を帯びながら底がはっきり見えるほどに透き通っていました。そのままでは激熱だったので加水しながら湯もみ板で掻き混ぜていると、底に沈殿していた湯の華を舞い上げながら徐々に濁り、底はおろかステップすらも見えないほど混濁していきました。しかしながら濁るといっても、単に透明度が下がるというわけではなく、あたかも老舗高級和菓子店の水菓子を彷彿とさせる透明感を維持した極めて上品な混色であり、薄い翡翠色の勾玉が青磁の壺に変貌したかのような変色なのであります。
その気品溢れる色合いにうっとりする一方、湯船へ体を沈めた時に全身を覆う、黒い羽根状の夥しい湯の華には興奮を隠すことができず、これでもかと言うほどまとわりついてくる湯の華は、湯船から上がってもしっかりと体にこびりついてくるので、日常使いのお湯としては鬱陶しいかもしれませんが、私のような湯の華が大好きな人間は欣喜雀躍してしまうこと必至です。
お湯からはタマゴ臭に噴気孔的硫化水素感をミックスしたような硫黄臭が漂っており、口にするとタマゴ味に苦味やえぐみ、そしてゴムっぽい風味が渾然一体となって感じられました。入浴中はツルスベ浴感と強い温まりが得られますが、湯上りには程よく火照りが抜け、不思議な爽快感に包まれます。
混雑度合いによって濁り方や湯の華の量に多寡がありますが、源泉の大量投入大量排出によって鮮度感は常にキープされているので、いつ利用しても一定以上の満足感が得られ、たとえ他の外湯がスキー客による混雑のために湯鈍りを起こしていたとしても、見た目の美しさは失われてしまうかもしれませんが、比較的安心して湯浴みできるかと思います(あくまでも私の体験に基づく私見ですが)。
野沢の真湯は天下の名湯ですね。
真湯第3他
単純硫黄温泉 61.2℃ pH7.6 溶存物質740.2mg/kg 成分総計755.7mg/kg
Na+:156.5mg(76.51mval%), Ca++:36.4mg(20.45mval%), Fe++:0.6mg(0.2mval%),
Cl-:77.8mg(23.70mval%), HS-:11.2mg(3.68mval%), SO4--:243.1mg(54.76mval%), HCO3-:97.6mg(17.32mval%),
H2SiO3:95.5mg, H2S:3.2mg,
源泉温度が高いため加水
加温循環消毒なし
JR飯山線・戸狩野沢温泉駅よりのざわ温泉交通の野沢温泉行路線バスで終点下車、徒歩1分
(野沢温泉バス停ではなく、その次の真湯(終点)で下車すると便利)
長野県下高井郡野沢温泉村
野沢温泉観光協会ホームページ
(バスの時刻表も観光協会のHPを参照のこと)
4月~11月→5:00~23:00、12月~3月→6:00~23:00
寸志
貴重品用ロッカーあり(100円リターン式)、他備品類なし
私の好み:★★★