温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

下北沢駅の碍子

2013年03月24日 | 東京都・埼玉県・千葉県
※今回の記事に温泉は登場しませんのであしからず。

3月16日には東急東横線の渋谷駅が、同23日には小田急線下北沢駅が、それぞれ地下化されて地上施設は長い歴史に幕を閉じ、両駅では消えゆく姿を記録しようと、鉄ちゃんのみならず老若男女あらゆる方々がカメラを構えていましたが、小田急線←→井の頭線←→東横線を通勤ルートとして毎日使っている私としては、下北沢・渋谷両駅における乗り換え時間と距離がとてつもなく長くなってしまい、毎日が苦行になってしまいました。今使っている定期券の有効期限が切れたら、乗換駅を変えようっかな…。とはいえ、子供のころから今に至るまで、乗り換えのみならず飲み食いや買い物・遊びなどで両方の街には毎日のように通っているため、今回の街並みの変貌には感慨も哀愁もひとしおです。さて旧駅の画像に関しては多くの方がネット上でアップなさっていますが、私個人としては下北沢駅のとあるものが姿を消してしまうことに一抹の淋しさを覚えております。そのものとは・・・



この画像は小田急下北沢駅旧駅の下りホーム。真上を井の頭線の線路が跨いでおります。ちなみに背景に建つマンションの下層階には本多劇場がありますね。



ホームから井の頭線の盛り土擁壁を見てみますと、雨水排水管と並行して2つの突起が確認できます(黄色い○の箇所)。赤い矢印については後述します。



突起の部分をアップしてみましょう。井の頭線(戦前の帝都電鉄)は昭和8年に小田急の弟分として開業しましたが、この2つの突起は、戦前に兄貴分の小田急から弟分の帝都電鉄へ電気を分ける電線を固定していた碍子であります。小田急と井の頭線の間に改札がない駅の構造は、両線がかつて同じ会社であった名残ですが、こんなところにも戦前の面影が残っていたのであります。消えゆく駅や踏切を撮影する人はたくさんいても、この碍子をカメラに収める人は皆無でした。小田急の地上ホームが閉鎖されたためにもうこの碍子を見ることはできませんし、井の頭線も現状の築堤から高架橋に切り替えられる予定ですから、碍子自体も数年後には姿を消します。
そうそう、上の方の画像に写っている赤い矢印は井の頭線の架線柱を指しているのですが、この鉄鋼製の架線柱は帝都電鉄時代から80年も現役で頑張っているものです(たしかそのはず)。下北沢は街並みだけではなく、鉄道施設にも昭和の面影が残っていたんですね。
酔っぱらって家路に就く途中に、駅のホームで小田急の終電を待ちながら、この碍子を眺めて昔日の光景を想像していたのですが、そんな想い出ももう過去のもの。明日からは地下5階の新ホームへ上り下りしなければ…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする