温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

鉄輪温泉 谷の湯

2013年03月29日 | 大分県

鉄輪の温泉街のはずれで、カミソリを地面に切り込ませたかのような細く深い溝を流れる平田川。その川沿いに建つ民家のような共同浴場「谷の湯」は、観光客の喧騒から離れた生活臭の強い共同浴場として温泉ファンからも評価が高く、年季の入った渋い外観が余計に観光色を排しているようであります。辺りでは鉄輪のランドスケープを特徴づける白い湯煙がそこここから立ちのぼっています。



番台のオバちゃんが寛いでいる居間の窓サッシから突き出ているパイプへ料金を投入してから、右の階段を下りて浴室へ。


 
別府の共同浴場おなじみの、脱衣と浴室が一体化された室内。湯船すぐそばの位置に敷かれたスノコの上で着替えるのですが、そのスペースはやや狭く、ややもすれば着替えている最中の足元にお湯が掛かってきそうなほどでした。

洗い場の床や浴槽はおそらくコンクリ打ちっぱなしなのですが、相当長い年月にわたって使い込まれているらしく、表面は温泉成分によってベージュ色にコーティングされています。長方形の浴槽は足を伸ばして入れば5~6人サイズで、その隅っこに固定されている塩ビの湯口からアツアツの源泉が注がれています。ただ、源泉のままでは篦棒に熱いため、水道の蛇口から加水されて温度調整がなされていました。お湯は無色透明無臭で、甘い塩味が感じられます。食塩泉らしいスベスベ感が気持ちよく、しっとりと肌に馴染んでくれました。また、訪問したのは前日に小雪が舞うほど寒い気候でしたが、食塩泉パワーのおかげで湯上りはいつまでもホコホコと温感が持続しました。



浴室内では不動明王が入浴客を見守り、その傍では数体のお地蔵さんも穏やかな表情で微笑んでいました。不動様の下にぽっかりあいている空洞には水が溜まっているのですが、てっきり温泉かと思いきや、お湯ではなくて単なる水でした。



「谷の湯」で捺せるスタンプも特徴的。おばちゃんのイラストがとってもチャーミングですね。


ナトリウム-塩化物温泉 71.1℃ pH4.9 溶存物質3.306g/kg 成分総計3.323g/kg
Na+:930.5mg(87.47mval%),
Cl-:1397.0mg(82.20mval%), SO4--:397.4mg(17.25mval%),
H2SiO3:357.6mg,

大分県別府市鉄輪北中1組  地図

6:30~21:30
100円
備品類なし

私の好み:★★★
コメント
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