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国道沿いに立っていた看板に誘われて、河津町の山の中にある日帰り温泉入浴施設「伊豆見高入谷高原温泉」を利用してきました。国道沿いのみならず、道中の辻々で看板が道案内してくれるので、国道からクネクネした道を2kmほど奥へ入った山林と畑しかないようなわかりにくい場所ですが、道には迷うこと無く辿り着くことが出来ました。
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前庭では桃色の花を咲かせた河津桜が春の訪れを告げていました。この庭にある水場ではお水を汲む人の姿が見られましたが、この水って美味しいんでしょうか。また、建物の前の道路にはなぜか水を貯めたボートが置かれているのですが、こんな山の奥にボートなんか運んできてどうするつもりだったんでしょうか。ノアの方舟みたいなものかしら。
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敷地内にはコテージも併設されています。ベランダからの眺めが良さそうな、シックで落ち着きのある外観ですね。綺麗でスッキリした外観から推測するに、まだ建てられてあまり経っていないように思われます。
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こちらの施設は受付と浴場が別個の棟になっており、まずは受付棟で料金を支払います。地元の地区の方々が運営にあたっており、小さなカウンターに座っていた朗らかそうなお爺さんは、私が支払った500円玉と引き換えに入浴券の半券を手渡して曰く「10枚集めれば1回無料ですので是非どうぞ」と、一見客とはわかっているけれども形式的に伝えているんですよと言わんばかりに、はにかみながらそうおっしゃっていました。受付前では地元産の柑橘類や農産品が販売されており、また奥の方には座敷のようなスペースもあって、地元の方の団欒の場となっていました。
浴場棟は受付棟の奥に隣接しており、手前が男湯、奥が女湯で固定されているようでした。
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濃淡のはっきりとしたコントラストが落ち着きのある雰囲気を醸し出してる脱衣室。洗面台は2台あり、扇風機も設置されています。よく手入れされており綺麗で清潔感があるのですが、共同浴場を思わせるようなコンパクトな造りであるため、一度に4人以上同時に利用すると窮屈になってしまいそうです。
壁に提げられているコルクボードには温泉に関する説明があり、「源泉かけ流しにつき湯船に、白または薄黄色の不純物が浮く場合がありますが、『湯の成分』ですので安心してご利用ください」とのことです。
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お風呂は内湯のみで露天はありません。浴室も全体的に黒基調で統一されており、落ち着きと重厚感のあるデザインです。清潔感が保たれているので気持ちよく利用できました。
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洗い場にはシャワー付き混合栓が4基並んでおり、そこに用意されているボディーソープやシャンプーは、「ニューサマーオレンジ」と称するJA伊豆太陽オリジナルの柑橘系香料が強いものでした。
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浴槽は黒い石板貼りの四角い4人サイズのものが据えられています。木組みの湯口からは30~35℃くらいのぬるいお湯が落とされているのですが、さすがにこれでは浴用に適さないため、浴槽内からも加温されたお湯が供給されています。この湯口と対称の位置には排水口があり、湯船のお湯はそこから吸い込まれてゆくため洗い場へのオーバーフローはありません。でも投入量に対して吸入量が少なくて釣り合っていないようでしたので、この他にも槽内吸引があるのかもしれません(実際に底には吸引口があるのですが、そこでの吸込は確認できませんでした)。
お湯は無色透明で、湯面には白く細かい粉っぽいものが浮いているのですが、これは上述の説明にあった源泉由来の物質なのでしょう。分析表によれば湧出温度は43.1℃なのですが、この浴場の開設に際して源泉をいじったら湧出温度が下がってしまったため、実際には30℃台での湧出であり、加温の上浴槽へ供給しているんだそうです。お湯からは弱めですがはっきりと塩素臭が臭ってきましたから、消毒も実施されているはずです。館内表示の「かけ流し」という表現を信じるならば、生源泉を投入しつつ、加温や消毒、更には循環も行なっているんだろうと推測されます。いわゆる半循環というものですね。伊豆では「かけ流し」という言葉に対して曖昧な意味を持たせている施設にしばしば遭遇しますので、槽内に吐出口や吸引口を見つけるとついつい疑心暗鬼になってしまいますが、でも確かに木組みの湯口から吐き出されるぬるいお湯からは塩素臭は一切ありませんでしたから、このお湯に関しては「かけ流し」と表現してもよいのかもしれません。それどころか、お湯に鼻を近づけて嗅いでみると、柑橘類を思わせるオレンジフレーバーを配合したミシン油のような匂いがふんわりと香り、口に含むとほろ苦さが感じられました。
浴槽では掴みどころのない没個性なお湯と化しているのですたが、少なくとも源泉段階では面白い個性を有したお湯であるようです。浴感としては癖のない無いサラサラとしたサッパリ系で、特に食塩や硫酸塩などの知覚は感じられませんでしたが、それゆえに地元の方々が日常で使うには良さそうです。
ちなみに分析表の申請者名は河津町長となっていることから、この源泉は町有であることが予想されますが、そこに記されている内容がちょっとトンチンカンなのです。例えば、硫酸イオンだけイオン式が抜けていたり、アルミニウムイオンがAl3(+が抜けている)、炭酸水素イオンがOC3^2+(完全にめちゃくちゃ)と表記されていたり…。おそらく館内表示の分析表は、どなたかが原本を見ながらワープロソフト等で書き写したものと思われますが、残念ながらその方にはあまり知識がなかったのではなかろうかとお察しします。ま、分析表を真剣に読む人なんて一部のマニアしかいないでしょうから、そんなに問題は無いのでしょうけどね。
比較的アクセスしやすいにもかかわらず、地元の方とふれあいながらちょっとした秘湯感が楽しめる、綺麗で使い勝手の良い日帰り温泉でした。
見高入谷温泉
アルカリ性単純温泉 43.8℃ pH9.1 97L/min(掘削・動力揚湯)
Na+:31.5mg(90.13mval%),
Cl-:7.2mg(12.66mval%), SO4--:19.6mg(25.95mval%), HCO3-:23.2mg(24.05mval%), CO3-:17.4mg(36.71mval%),
H2SiO3:50.5mg,
源泉温度が低いため加温
塩素系薬剤で消毒
循環処理については不明
静岡県賀茂郡河津町見高2064-13 地図
0558-32-3556
ホームページ
10:00~21:00 木曜定休
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★