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群馬県吾妻地方を東西に走る国道144号に沿って建つ一軒宿です。JR吾妻線の袋倉駅からも余裕の徒歩圏内にあるのですが、そのルートがなかなか面白い。まず駅を出て線路を潜ると視界の先に小さな看板が見えてくるので、これの示す通りに進むと突然畦のような杣道になります。畑と雑木林に挟まれながらその杣道をてくてく歩き、坂を下りきると次に待ち構えるのは細い吊り橋で、ゆらゆら揺られながら吾妻川を渡ると、すぐそこに登喜和荘があるという次第です。
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この吊り橋を渡ります
旅館というより民宿とでも言うべき風情で、温泉に入るというよりお湯を借りに行くといった言葉が似合いそうな感じです。お風呂は男女別の内湯と混浴の露天があり、内湯では壁から突き出た鉄パイプから木製の浴槽へお湯が静かに絶え間なく注がれ掛け流されています。内湯の浴槽はこのひとつだけで至ってシンプルな造りです。無色透明のお湯からは金気の匂いがおぼろげに漂い、湯口に置かれたコップで飲んでみると塩味と金気味、そして微かな炭酸味が感じられました。界隈の吾妻川沿いの温泉に見られる特徴がとてもよく出ている良質のお湯だと思われます。
一方、露天へは内湯から一旦出て裸のままお庭を10メートル程歩かねばならず、上述の吊り橋や辺りの畑からは丸見えなので、女性の方にはちょっと辛いかもしれません。しかし吾妻川を見下ろすロケーションが実に爽快。こちらも木製の浴槽で、内湯よりはぬるめのお湯が張られており、長湯するにはもってこいです。この浴槽と並んで幾分熱め(とはいえ普通のお風呂よりはぬるい)のお湯が注がれている樽風呂もありますが、この樽はかつて味噌を仕込むために農家で使われていたものなんだそうです(樽風呂はかなり草臥れていたので私は入りませんでした)。
長閑な山の中で渓流を見下ろしながらぬるめのお湯に浸かっていると、時間の経過を完全に忘れてしまいます。草津や万座といった名所に隠れて目立たぬ存在ですが、それゆえに穴場といえましょう。
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ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
42.5℃ pH7.0 成分総計4.96g/kg
JR吾妻線・袋倉駅 徒歩8分
群馬県吾妻郡嬬恋村今井97-1 地図
0279-97-3373
ホームページ
8:00~20:00
400円
私の好み:★★★