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古遠部温泉といえば温泉ファンなら誰しもが納得するであろう名湯であり、その良さは諸氏のホームページで語られているところですから、ここで多くを申し上げる必要はないでしょう。
青森県の碇ヶ関から秋田県の小坂へ抜ける国道282号線が碇ヶ関関所跡で国道7号線から分かれて坂梨峠へ向かう手前に北へ伸びるダートがあるので、この道をしばらく進めば北東北にありがちなトタン葺きの一軒宿が目に入ってきます。国道282号線沿いに看板が立っているので迷うことはないでしょう。
浴室は男女それぞれひとつしかなく、しかも内湯だけですが、とにかくお湯の量といい析出物の様といい、お風呂にまつわる全てがそのシンプルさを補って余りあるほどの感動を入湯者に与えます。浴室の扉を開けるとまず目に入ってくるのは、床が常に洪水状態になるほどドバドバと浴槽へ流れ落ちては溢れ出てゆくお湯の様で、まるで浴槽が滝壺となってそこへ落ちる滝と滝壺から流れ出る川を見ているかのようです。年季の入った浴槽の縁には石膏の析出物がこんもり覆いかぶさり、床に至っては赤茶色に染まって千枚田のようになっています。浴室の外には排出されたお湯によって石灰ドームができていることからも、成分の濃さを窺い知ることができます。
しかしながら実際にお湯に浸かってみると石膏成分の影響でキシキシ感がありましたが、それほどトロトロに濃厚という感覚はなく、絶妙な湯加減も相俟って、寧ろすっきりさっぱり入れる長湯仕様のお湯でした(濃いお湯は長湯すると疲れますからね)。薄い褐色に濁り赤茶色の湯の花も浮遊、金気の匂い、金気の味に塩味と出汁の味がプラスされ、炭酸の味も感じられます。炭酸味を裏付けるように、湯口ではパチパチと炭酸が弾け、湯中の肌には気泡が付着します。
この温泉は宿泊するとさらに良さが実感できるそうです。しかもかなり安い値段だとか。機会があれば一度泊ってお湯をじっくり堪能してみたいものです。飾り気のない宿の外観からお湯の良さはなかなか想像できませんが、この素っ気無さや浴室の古めかしさが、余計にお湯の味わいを一層醸し出しているのかもしれません。
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お湯が大量に溢れ出す浴室
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浴室の外には排湯により石灰ドームができている
含石膏弱食塩泉
41.5℃ pH7.5 500L/min 成分総計6362mg
青森県平川市碇ヶ関字西碇ヶ関山1-467 地図
0172-46-2533
9:00-20:00
300円
私の好み:★★★