温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大塩温泉 共同浴場

2009年04月28日 | 福島県
※大塩温泉共同浴場は2015年8月にリニューアルオープンし、当記事で取り上げている湯小屋とは異なる、綺麗な浴場へと生まれ変わりました。当記事はリニューアル前の様子を取り上げております。



西会津は秘湯の宝庫で、特に只見線沿線には温泉マニアを唸らせる共同浴場が点在しています。会津横田駅から徒歩圏内にある大塩温泉共同浴場もそのひとつ。
只見川の川縁に建てられており、浴室は玄関より低い所に河岸に位置しているので、玄関で靴を脱いで階段を下り浴室へ向かいます。浴室に入ると泉質由来の金気の匂いがぷんと鼻をつきます。湯口から絶え間なくお湯が注がれ、静かにあふれ出ています。浴槽のお湯は白みを帯びた薄い緑色に濁っており、コンクリートの浴槽や床は温泉成分の析出によって赤茶色に染まり、また湯口付近では石灰による凸凹がはっきりと現れています。湯口にはコップがあるので飲んでみると、炭酸の味に金気の味、そしてカルシウム由来と思われる独特の苦味と薄い塩味が多層に及んで感じられました。炭酸味からわかるように、お湯に浸かると肌には遊離炭酸ガスの気泡がたくさん付着します。味と良い濁り方といい、かなり濃いお湯だと思われます。

成分表を見ると源泉の温度は38℃となっており、この浴場ではお昼以降お湯を加熱して入浴に適するようにしています。逆に考えれば、午前中を狙えば手の加えられていない源泉そのままのお湯を味わうことが出来るわけで、夏の暑い日に入ると気持ち良いこと間違いありません。内湯だけの素朴で鄙びた温泉ですが、窓から望める只見川の渓流を眺めながら、じっくりと長湯してお湯の良さを堪能したい温泉です。


只見川を臨む浴室


析出物で白くこんもりとしている湯口


析出物で赤茶色に染まっています


ちなみに、この界隈の温泉水を含む地下水は炭酸ガスを多く含有しているのか、大塩温泉共同浴場の近くには天然の炭酸水が湧く井戸があります。共同浴場から国道を挟んで北西の方角に進むと「会津心水」という名前の炭酸水瓶詰め工場があるので、その左側の森の中に入ればすぐに見つけられるでしょう。
井戸の中を覗くとパチパチと音を立てながら炭酸水が湧いているのがわかります。井戸の縁には紐が結わかれたやかんが括り付けられているので、これで汲んで飲んでみると、実に美味い。天然水ならではの冷たさに加え、水自体が柔らかいので飲みやすく、また炭酸が口の中で弾ける肌理の細かなシュワシュワ感も楽しめ、非常に上質な清涼感が得られます。これぞまさに自然の恵みです。


炭酸水の井戸


パチパチ弾けながら湧き出ています


含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
38℃ pH6.5 成分総計12.502g/kg

JR只見線・会津横田駅 徒歩15分(約1.5km)
福島県大沼郡金山町大字大塩字休場 地図

4月~10月→7:30~21:30(加熱は12時~)
11月~3月→8:30~20:30(加熱は12時~)
200円以上の寸志(加温の燃料代として)
但し連休などは午前中から加熱することもあります

私の好み:★★★
コメント (4)
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