伊豆七島の新島といえば、かつてはアバンチュール目当ての観光客で賑わったところですが、今では波を求めるサーファー以外に訪れる観光客は減ってしまい、どこかひっそりとしている感があります。
新島は南北に細長い形をしており、南北の真ん中の東側に空港が、西側に役場や島最大の集落、港などが集まっています。新島港は中央の集落からやや南の外れにあって辺りは閑散としているのですが、この港から更に南へ5分ほど海沿いの道を歩くと、パルテノン神殿を崩壊させたようなオブジェが目立つ「湯の浜露天風呂」に辿り着きます。
ここは混浴で水着を着用して入浴するルールなので、更衣室(有料ロッカー有)で着替えてお風呂に入ります。海側に小高い築山があって、そのてっぺんに一つと、築山の下にもいくつかの浴槽があります。最下層の浴槽は波打ち際に近いので海を間近に感じられるのですが、せっかくなのでとても見晴らしの良い山の上の湯船に入りましょう。大海原に吹く風を肌で感じながらだだっ広く真っ青な太平洋を一望する爽快感といったら、表現しがたい素晴らしいものがあります。これで無料なのですから驚きです。波と風の音しか聞こえない空の下、洋上を次々に現れる船舶をぼんやり目で追いかけながら湯あみしていたら、いつのまにやら1時間以上もお湯に浸かっていました。このお風呂と展望は時間の経過を忘れさせてくれる魔力を持っています。
お湯は丘の上にある入浴施設「まました温泉」と同じ源泉から引いており、無色透明で匂いは無いものの、強い塩味を帯びています。海水由来の温泉なのでしょう。訪問時は春先でちょっと冷たい風が吹いていたのですが、食塩泉のおかげで湯上り後もポカポカして湯冷めすることはありませんでした。
新島観光には必須のスポットです。
太平洋を一望できる露天風呂
港に停泊しているフェリーを眺めることもできます
ナトリウム-塩化物泉
60.2℃ pH6.1 430L/min 成分総計1690mg/kg
新島港より徒歩5分
東京都新島村本村6丁目 地図
04992-5-0240(新島村役場産業観光課)
新島観光協会
24時間入浴可 無料
私の好み:★★★