パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

マチネの終わりに

2019年10月24日 | 本・マンガ・テレビ・映画
10月24日(木)曇り


昨日は、娘を誘い「マチネの終わりに」の試写会へ。

と、その前に・・・午前中のボランティアの会合へ行く時に、バッグに水筒とか携帯とか入れてチャリをぶっ飛ばして行き、
着いたら水筒の蓋が開いててお茶が全部流出してて・・・携帯が死んでた。

ということで、夫を経由して娘にその旨を伝え、試写会の行列の中から母を探してもらうことにする。
携帯のなかった時代の待ち合わせが懐かしい。
こんなにハラハラドキドキしてなかったよね〜〜〜
来週久しぶりにT代さんとランチするんだけど、その前に携帯、息を吹き返してくれないかしら。
無理ならもう一気に新型アイフォンかしら(・・・それはない)
ですので、もしワタクシにご用のある方は、こちらのコメント欄かパソコンのメールにてご連絡ください。

「マチネの終わりに」の話に戻りましょう。
原作は読んでおりません。
予告を見たりするに「たった三度会ったあなたが、誰よりも深く愛した人だった」とあります。
たった三度!!!???
すぐに思い出すのが「マディソン郡の橋」です。
若い頃に見たこの映画は、純愛というのか、本当の愛というのか、とにかく絶賛されました。
が、ワタクシにはわかりませんでした。今も良さがわからない。
恋愛映画というものが好きじゃないんだと思います、今さらですけど。
「マチネの終わりに」は、綺麗な映画でした。
福山雅治氏に石田ゆり子さんだし、パリだし、ニューヨークだし、ギタリストだし、ジャーナリストだし。
原作がしっかりしたものだから、好き嫌いは別として、セリフに重みがあって、力があって、見応えのある映画でした。
『人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。』

恋愛の形として、「一目惚れ」も「略奪愛」も「不倫」も「焼け木杭」も好きではない。
恋愛話に関しては、何年か後の「あの時は・・・」と語られる言い訳も誇らしげな武勇伝も嫌いだ。
その時言えなかったことは一生黙ってろ!と思う。
それは、話されることによって過去が変わるからということだったのか。

ギタリスト蒔野(福山)とジャーナリストの洋子(石田)は出会った瞬間から強く惹かれ合う。
パリ在住の洋子には婚約者(伊勢谷友介氏)がいるにも関わらず蒔野は告白し、洋子も身辺整理をして東京へ逢いに。
しかし、ここで蒔野にトラブルが生じ迎えに行けない。
蒔野に思いを寄せるマネージャーの三谷(桜井ユキ嬢)は、トラブルに乗じて二人の中を裂く工作をする。
月日が流れ・・・蒔野と三谷は結婚し娘もいる。
一方、ニューヨークの洋子も以前の婚約者と結婚して息子がいたが、夫には愛人がいて、結局のところ彼は妻の結婚前のいざこざを許せていなかったのだ。
洋子は離婚し、息子も奪われ・・・
そこへ蒔野の妻になった三谷が現れ、あの時の画策を全て打ち明ける。
もう、ワタクシの嫌いな世界のてんこ盛り。
でも、どの人物のことも好きではないけど、どの人物の人生も重いのは確かである。

   ベートーヴェンの日記に、『夕べにすべてを見とどけること。』っていう謎めいた一文があるんです。(中略)
   展開を通じて、そうか、あの主題にはこんなポテンシャルがあったのかと気がつく。
   そうすると、もうそのテーマは、最初と同じようには聞こえない。
   花の姿を知らないまま眺めた蕾は、知ってからは、振り返った記憶の中で、もう同じ蕾じゃない。
   音楽は、未来に向かって一直線に前進するだけじゃなくて、絶えずこんなふうに、
   過去に向かっても広がっていく。

これは、原作の蒔野の言葉をひいてきたものだが、映画ではこれを三谷が言ったんじゃなかったかなあ。
この言葉を思い出したくて検索していたら、丸々「マチネの終わりに」を読めるサイト(平野啓一郎氏のnote)を見つけ、ところどころを飛ばし読みしているうちにとりこになる。
いやあ〜面白い。
映画を入り口とするのは間違いじゃないけど、これは絶対原作を読むべき作品だと思う。
言葉が、文章が、とても良い。
もし、映画だけを見て、そのまま帰宅したら、「綺麗な恋愛映画だったわ」で終わっていた。
しかし、映画の後、娘とパエリアなんぞ食べながら感想を言い合う。
原作を読んでる娘は、ワタクシよりもっと深く理解しているから、感想戦が膨らむ。
そして、今、少し原作をつまみ読みすると、この物語がとても深い人生の物語だと知る。

今から、「スマホを水没させたこと」をしばし忘れて、最初から「マチネの終わりに」を読もうと思う。
コメント
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