紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

汽車にのってヨーロッパ旅行・その7

2005-07-08 07:59:26 | 8・山と旅の思い出
■エニスの農場

旅は続いた。
たまに晴れると、気持ちのいい青空が広がった。




ドライブしながら、インフォメーションがあると、立ち寄って、アイルランドらしい観光名所の情報をもらった。

 

その日は、エニスのインフォメーションに行き、農場を紹介してもらった。
ところが、そこに行ってみると、大きすぎて豪華な家で、ちょっとイメージとは違うかなあという気はした。が、もう疲れていたので、早いところ宿を決めたかった。泊めてほしいなあと思っていたところ、「今日はいっぱい」だと断られた。
ガッカリして、他をあたろうと思っていると、
「近くに従兄弟の農場があるから、そこはどうか?」
といわれた。

とりあえず、その日の宿を決めないとならないので、いってみることにした。
着いてみると、道から少し奥まった所に家が建っていて、B&Bの看板も質素。とてもよい感じだし、イメージにもぴったりだった。
若い奥様が出てきたので、あいている部屋があるか聞いてみたところ、あいているという。
泊めてもらうことにした。


一日過ごすうちに、もうほんとうにその農場が気に入ってしまった。
結局、アイルランドにいる6日間、ずっとそこに泊めてもらうことになった。
この先ゴールウェイとか、行きたい所もあったが、こんなに気にいった場所が見つかるというのが、めったにないことだというのも、わかっていた。他は全てやめることに決めた。


こういうのは賭なので、旅を続けたら、どうだったかわからないけど、一カ所にいると、その場所、人を深く知ることができる。
それに、転々と旅を続けるのは、毎日移動やら宿探しでくたびれるものだけど、同じ宿で寝泊まりするのは、そういう大変さを省くことができるので、楽である。

子どもたちが一番喜んだのは、牛、馬、山羊、羊、それにそこのジェッスイという犬と、直接触れあったり、じゃれあえることだった。
そして、それにもましてよかったのは、長く滞在させてもらうことによって、宿のご夫婦、小さい3人の子どもたちと、とても仲良くなれたことだ。まるで、親しい親戚の家で過ごさせてもらっているような居心地の良さがあった。

 



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