紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

奥山 貴宏 さんのこと

2005-07-26 06:36:29 | 13・本・映画・演劇・音楽など
7月23日の土曜日、
NHK教育テレビ・ETV特集「オレを覚えていてほしい」を見た。

奥山さんは、31歳の時に突然「肺ガン」と宣告され、余命2年と告げられる。
番組は、その彼が亡くなるまでの2年数ヶ月間を追う。自分自身でつづったBlog、読者とのやりとり、友人が撮した映像、周りの人たちの証言などを元に制作されたドキュメンタリーだ。

奥山さんのことを知ったのは、知人の吉田智彦さん(トモさん)のBlog「牛の玉日記」で、そこから、奥山さんのBlog「32歳ガン漂流エヴォリューション」に飛んで、読んだ。
その時すでに奥山さんは亡くなられていた(4月17日没)。

多分一回だけなら、全く知らない人だし、そんな人もいたのか、と思って終わってしまったかもしれない。
けれど、トモさんは、それから何回かBlogに奥山さんのことを書いていた。
その度に、私も少しずつ奥山さんのことが気になっていった。
教育テレビで放映されることを知ったのも、トモさんのBlogからだ。

奥山さんが、亡くなる前日までネットでつづった日記が、今月末までには、「33歳ガン漂流ラスト・イグジット」というタイトルで出るそうだ。
奥山さんの日記は、すでに、「31歳ガン漂流」「32歳ガン漂流エボリューション」として刊行されている。それに続く3冊目の日記。最後の日記になる。

そして、もう1作。小説「ヴァニシング・ポイント」(マガジンハウス)
奥山さんは、闘病中の2年間に4作の本を書き、2作は自分の目で本屋に並んでいるのを見届け、一番世に出したかった小説を手にするのは、亡くなる3日前だった。

テレビで「作家として死ぬのが夢」と語っていた奥山さん。
2年間を全力で駆け抜け、4作の本を残した。テレビを見てから、どうしてもそれらの本が読みたくなった。
この夏には手に入れて、読もうと思う。

PS)写真は、小説「ヴァニシング・ポイント」 トモさんからお借りしました。

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