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フンデルト・ヴァッサーの舞洲工場

2008-03-27 | 建築巡り・街歩き【大阪】



ウィーンの芸術家であるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーデザインの舞洲工場(ゴミ焼却所)にてこの度「環境アートフェスティバルin舞洲」なるものが開催されることを知りやってきた。
先着30名の限定プラントツアーは惜しくも満席だったが通常の見学ツアーを案内してもらう。
「技術、エコロジーと芸術の調和」をコンセプトに自然を大切にする考え方が取り入れられたヴァッサーデザインの建物を十二分に満喫!





舞洲工場はとてもゴミ焼却施設とは思えぬ雰囲気。
これは大阪市が建設するにあたり、ゴミ焼却所や下水処理場というのは付近の住人に嫌がられるといったマイナスイメージがあるが、実は人が生きていく上でとても大切な機関、仕事であるということから、そういったイメージを払拭し、市民にもっと親しみをもってもらうためエコロジストでもあったフンデルトヴァッサー氏にデザインを依頼したのだそう。





舞洲工場は、総工費609億円かけて建てられた。デザイン料は6600万円。
金額が大き過ぎてピンと来ない!

自然界に直線や同一物が存在しないことから、各所の形状には意識的に曲線が採用されるとともに建物は自然との調和の象徴として多くの緑に囲まれている。





金のボールは一個百万円。
輸入した鉄のボールに金沢の金箔を貼って仕上げたもの。
この金のボールは建物に約100個使用されている。





煙突は120メートルの高さがあり、30億円。
煙突一本、さ、さ、30億円~!?
高いのか?安いのか?もう金銭感覚麻痺状態・・
当初は天辺に展望室とレストランを作る予定だったが、果たして人が来るのか?という問題とさらに60億かかるというのでお流れになったという。





玄関入ったところの案内板





玄関入ったところの壁画と柱。
煉瓦敷きの床がぼこぼこと波打っている。





ここは舞洲工場の中枢部。
ここで一日450トンのゴミを燃やせる焼却炉2つの管理を行っている。





巨大なクレーンがゴミをつかんで焼却炉へ投入する迫力のシーン

こちらの舞洲工場の特徴は
臭気を含んだ空気が外部へ出るのを防ぐ為、ゴミピット内の空気は燃焼用空気として焼却炉内へ送り込み600度以上の高温焼却により臭気を分解している。

又ゴミ焼却によって生じる熱エネルギーを蒸気と電気に変え、工場内で使用するだけでなく電力会社へも送っている。家庭の5万軒分、年間6億7千万円ほどの利益になるという。





3階の外には遊歩道があり多くの草木が植わっている。
建物を建てると自然を破壊するので、それを補う為に工場の周辺ならびに建物緑化を積極的に行っていて1万6千本の木が植栽されている。





3階から2階へ続くスロープはジグザグ。
手摺もゆらゆらと上下に波打つ。





建物のあちこちの窓からちょろちょろと控えめに伸びる樹木。
後々にはこの舞洲工場もウィーンのヴァッサーハウスのようにモリモリとした緑で覆われるようになるのか?!





柱などに使われているセラミックは日本ではなかなか出せない色、ということでドイツから輸入したもの。
床などの煉瓦材はイタリアから無料で譲り受けたものだが輸送料に高くついているとか。





120mの煙突の根元。





ウィーンのごみ焼却施設「シュピテラウ」から舞洲工場の完成記念に送られたレリーフはヴァッサー氏の手形付き。





ヴァッサー氏は2001年の工場の完成を待たず、2000年に亡くなっている。
この大阪にある舞洲工場、舞洲スラッジセンターはヴァッサー氏の遺作となった。



コメント (4)
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