富田林寺内町の散策を終えた後、河内長野方面へ来たらいつか行こうと思ってた「つまようじ資料室」へ行くことに。
河内長野は日本一のつまようじの生産地。
最近では中国の輸入物のつまようじにほぼとって代わられ、日本での生産は減少の一途をたどっているが、河内長野では三社がつまようじの生産を続けている。
その中の広栄社という会社が毎週土曜日に開けているつまようじ専門の展示室。
閉館間際にお邪魔してしまったのだが、社長さん自ら展示品の解説やつまようじについての興味深いお話をしていただくことができた。
写真はつまようじの生産工程と製造に使われる機械。
河内長野で採れる黒文字を使った楊枝。
お茶席などで使われる黒文字は今でもこの河内長野で製造されているそう。
卯木というもともとのつまようじの原木。
現在は白樺が主流だそう。
つまようじの発端となった歯木は木の枝の端をブラシ状にしたもの。
アフリカ諸国などで今でも使われている歯木。
なんとこの歯木には、虫歯予防、歯ぐきの引き締め効果もあるフッ素やタンニン酸が含まれていて、練り歯磨きにはこの歯木の抽出液を使ったものもあるという。
最盛期では河内長野でも年間700億本のつまようじの生産が行われ、世界シェアの50%近くを占めていたそうで、日本のイメージが強かったつまようじ。
そのころ外国で輸出されたつまようじには「サムライ」や「キモノ」「サヨナラ」という
日本をイメージするネーミングがされていた。
世界各国のつまようじが並ぶ・・
そもそもつまようじって食べ物を突き刺すものだとばかり思っていたが、
それとは別に歯の手入れをするためのものがあるのだ。
現在、よく見る輸入物のつまようじは丸く、物を突き刺すためのものでそれを歯に使うと歯茎を傷めてしまう。
こちらの会社ではデンタル用に三角のつまようじを製造されているそう。
からたちや椰子の刺、まぐろの尾びれなど自然の素材そのままを利用した楊枝などもあった。
美術工芸品のような楊枝の展示も。
こちらはロシアの七宝飾りがついたもの。
中国の真珠などの宝石をちりばめた楊枝。
フランスではこんなかわいいくるみのケースがついたナイフ付き楊枝。
こちらもフランス製、象牙の歯のケアセット。
ヨーロッパの貴族が腰にぶら下げていたという銀製のアクセサリー。
この中にも楊枝や耳かきは必需品として入っていた。
最も古い青銅の楊枝。
紀元前から楊枝が使われていたとは~
まだまだたくさんの展示品があったがこれくらいで。
つまようじ資料室、それほど期待していたわけではなかったが
楊枝の歴史から、製造工程、世界の楊枝、美術品としてもすばらしい昔の楊枝などなど楊枝についていろいろと知ることができておもしろかった!