小林一三記念館で建物をたっぷり楽しんだ後、やって来た逸翁美術館。
12月5日まで「中国陶磁の美」という特別展が開催されている。
久しぶり美術館でやきものを見れてちょっとわくわく・・
結構見たことのあるやきものが多くて、でも再び見れてよかった!と
帰ってきて本棚を探したら
逸翁美術館開館35周年記念「中国陶磁」という特別展の図録が。
その昔、今は無きナビオ美術館で見たものだ・・なつかしい~
その中にこの日見たものが続々と出てきた。
めったに図録を買ったりしてなかったのでたぶん当時印象的だったのかなあと。
18年前の展覧会だけど、今回展示されていたものとほぼかぶってたのでどおりで見た記憶あるはず・・
その図録からちょっと印象的だったのもをピックアップ。
ここに載ってない物で気になったものもあったけど。
白地鉄絵鳳凰文扁壺
騎馬民族が好んで用いたといわれる水筒型で扁壺といわれるもの。
お茶席では花入れに見立てられていたそう。
鳳凰の雰囲気を残しつつ省略化されたデザインも面白くて、思い切りのいい勢い余った絵付けが素敵~
周りの雲紋も躍動感あふれててこの壺全体から醸されるエキゾチックな雰囲気がとても気に入った。
翡翠釉白地鉄絵花文深鉢
ブルーが鮮やかな釉薬が印象的で中国というより中近東からやってきたようなオリエンタル~な味わいが素敵な鉢。
この深鉢はお茶席では黒漆塗の蓋を添えて、水指として見立てられたそう。
とっても洒落た水指だなあ。
五彩花文筒型合子 獏つまみ
カラフルで可憐な雰囲気の入れ物。
高さ10cmくらいの小ぶりな蓋物だけど三層に分かれて繊細な紋様が入れられ、やさしい味わいがある。
そしてなんと蓋のつまみに獏を模したものがあしらわれてる(獏は悪い夢を食べてくれるという言い伝えがある)
獅子やかえる?とかでなく獏っていうのがポイント高いなあ。
しかもこんなに小さなつまみなのに一目で獏ってわかる?のがいい感じ。
こんなかわいい香合のコレクションも。
この右上の香合、一見ふぐ?かと思うような形が魅力的でツボだった。
実は果物のレイシだそうだが、表面のブツブツもリアルでいい感じ。
右下の青花葛籠香合も好き。
葛で編まれた葛籠を模した形もとてもいい感じな上に、この小さな蓋に描かれてる山水画が
コンパクトながら幽玄の世界?を垣間見せてくれた・・
いつか自分でも陶芸でいろんな形の香合コレクションを作ってみたいなあ~
紫泥四方水注
急須として作られたものだが、お茶席では水注や酒注として用いられていたそう。
カクカクした端正なフォルムとブルー系の釉薬の発色が美しい~
五彩蓮華唐草文四方香炉
蓮華唐草文が足のところまでびっしりと描かれていてとっても華やか。
蓋にはぷつぷつと空気穴が開けられている。
日本では香炉とされてるが、本来は鈴虫などのような虫を飼う容器ともいわれてるとか。
蚊取り線香入れなんかにしても風流でいいかも~?!
まだまだ他にもたくさん、100点以上のコレクションを見ることができたが、
どのやきものも鑑賞用というだけでなく逸翁の見立てでお茶席、その他で実用として使われていたものばかり。
いつもながらユニークな発想や転用に驚かされ、ひとつひとつお茶席などで使われている様子を想像しながらの鑑賞は楽しかった。。