先日、旦那が急きょ用事で名古屋へ行くというので、せっかくなので私も便乗することにした。
早朝から出て、帰るのは夕方と聞いていたので、その間に別行動で名古屋近郊のどこかを散策しようと・・
名古屋も数度行ってるし、、久々常滑へ行くことにした。
以前も少し回ったことあるが、常滑のタイルマップをネットで見つけたので、それも参考にしながら歩いていると
INAX近くの川沿いで見つけた廃工場のような建物群。
表に回ってみると、20世紀少年の映画のロケ地にもなったとの案内板が
タイルマップに載ってたスクラッチタイルの塀もあり、
門の扉が開いていたので少し敷地内を見せていただくことに・・
廃工場かと思っていたら、なんか現役で使われているような雰囲気も。
ベンガラ色に染まった建物もあったり
煙突なども見え、何か陶器関連の工場なのだろうか・・
トイレにこんなモザイクタイルも貼られてた。
しかし、奥に進むにつれて廃墟感は増し、雰囲気あり過ぎな建物群に背筋が寒くなってきたので引き返すことに。
ふと見た小屋の中には年季の入ったサビサビの出勤カード入れがいい感じにレトロさを醸していたけど
その隣に貼られてたカレンダーが今年のものだとわかり、この施設は現役なんだ、ということに気付いた。
そこで、建物の中に人の気配が!
ふと窓の外から覗くとその床にタイルらしきものが目に入ったのだ。
何??!!
思わず、すみません~~と引き戸を開けて、中におられた方に声をかけてみると
目の前に飛び込んできた光景に驚愕!!
床一面にモザイクタイルが色とりどりに敷き詰められている!
これはタイル見本なのか?!
興奮を抑えきれず、おられた方(たぶんここの社長さん)にお伺いすると
ここの事務所は元タイルのショールームを兼ねていたとのこと。
東窯工業という会社で70年ほど前まで、タイルの製造をされてたという。
現在はタイルはもう作っておらず、砥石専門で今もこちらで作っておられるとか。
ショールームを兼ねていたというこの事務所の床には、ありとあらゆるデザインの床用の無釉タイルが貼り巡らされていて、
社長さんにお願いし、事務所の中をぐるりと一周してタイルをカメラに収めた。
こんなモザイクタイルも
物置の扉の中の床にもタイル
奥の部屋の床にもクリンカータイルが敷き詰められていた。
そしてタイル見本は床だけにとどまらず、壁面にも貼り巡らされていたのだ。
壁面には釉薬が掛けられたタイルがびっしりと。
微妙なニュアンスが美しいタイルがたくさん
右上のボーダー状の還元焼成で焼かれた辰砂のタイルはサントリーの大山崎山荘美術館でも使われているそう。
色むらが出ないよう同じ色味のタイルを大量に焼くのは技術が必要で、昔はとても高価なものだったとのお話。
こちらの事務所はこの床のタイルだけにとどまらず、この年季の入った机など全てがレアでまさに時が止まったような空間!
偶然にもこんなすごいスポットに導かれるなんて・・自分はつくづくツイている。
神のお導きに感謝!(無宗教だけど)