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「旧前田家本邸の泰山タイル~宮内省御用達の美」現地見学&レクチャー

2022-11-14 | 東京タイル&建築巡り2022

この週末は加藤郁美さん講師で「旧前田家本邸の泰山タイル~宮内省御用達の美」現地見学会が開催され、参加させて頂くことができた。


前田侯爵邸は以前、じっくり回ったことがあって、その時に存分に撮った写真はこちら→外観一階二階照明&マントルピースのグリル



玄関ホールの階段下に設けられてるアーチの奥のイングルヌック、良い空間で
好き。



そしてツアーが始まる。
今回のツアーでは、邸宅内にある泰山タイルにスポットをあてたもの。
第一応接室にあるマントルピースは、天井までの高さのある筒状のもの。


優雅な曲線を描く唐草文様のレリーフの周りには透かし模様のタイルが入れられ、控え目だけど、深みのある釉薬がとても美しく上品。
見る角度によって、様々に変化する象牙釉という釉薬が使われているそう。


凹状の縦長タイルに数珠のような球が連なっている。
天井に接する部分のレリーフタイルのデザインも美しい。


床と接する部分には、放射状にカットされたタイル。


2階にある次女の部屋は、象牙色とはうってかわって、
深みのあるブルー。
前田侯爵のイメージカラーがブルーだったので、辰砂を酸化焼成して、
このブルーを出したのではとのこと。


上部の中央辺りの一部分には赤く発色している箇所もあり、こちらは還元焼成でかすかに赤色を出している。


そして今回は普段は非公開部分の中庭の壁泉を見せて頂けた。
洋館から和館へ通じる渡り廊下から庭へ。



建物の一画の壁面に窪みが設けられ、壁水が設置されていた。
グリーンが美しい釉薬は、「鹿青」という名称だそう。
小さな羊の顔から水がちょろちょろと流れ出る。
羊の部分は青銅?



土台の部分にも花模様のレリーフタイルが貼られてた。


そして渡り廊下を通って隣の和館へ。
かすかに布目が入るタイル、こちらは、タイルの裏足から泰山タイルではなく、現在のところどちらのものか分からないそう。


階段部分の役物タイルにはくっきりと布目がついてるが、
ところどころ、布目の凹凸がないものは、修復で新しいものが使われているとか。


渡り廊下の一画にはこんなタイルに囲まれたベンチも残されていた。


和館大広間。
前田家の家族は普段は洋館で暮らしていたそうで、和館の方は接客用として建てられたという。




花模様の透かし彫りが可愛い欄間。


2階には白いタイル貼りの浴室、トイレが残されていた。




浴室のタイル。


玄関ポーチのタイルも大判の布目タイルが敷かれてて、良い味わい。


建物の外壁はスクラッチタイル貼りで、日本陶業のものだそう。

タイルにスポットを当てた見学ツアーの後は、タイルにまつわるレクチャーをお聞きした。
スライドを交えながら、数々の泰山スポット等の紹介から、楽しいお話まで
あっという間のひと時だった。



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