東京で最後に訪れたのは、目黒雅叙園の百段階段。
百段階段までのアプローチのエレベーターからして、漆に螺鈿に金と、
豪華絢爛。
エレベーターの全面がこの有様。
百段階段は1935年に建てられた、ホテル雅叙園東京で現存する唯一の木造建築。99段の階段廊下が7つの部屋を繋いでいる。
階段廊下の天井を見上げると、天井にもくまなく花々が描き込まれた扇が
描かれている。
最初のお部屋は「十畝の間」
最も格式の高い間だそうで、黒漆に螺鈿細工が煌びやか。
天井は格天井で、荒木十畝による花鳥画が描かれ、格縁は金具と細かな螺鈿細工で装飾されている。
控えの間のの天井も。
床柱は節のある重厚感のある銘木が使われ、長押には螺鈿細工がたっぷりと。
床框にも。
床の間周りだけでなく、全ての長押に施される螺鈿細工。
組子細工も細やか。
お手洗いの天井装飾も抜かりなく。
そして最も豪華な部屋といわれる「漁樵の間」へ。
なんじゃこりゃ、っていうような、ほぼ立体に近い浮彫が施された床柱にまず驚愕。
樹齢280~300年の直径60cmの檜が使われているそう。
全ての壁面や柱、天井は純金箔、純金泥、純金砂子 を使用した日本画と彫刻で埋め尽くされている。
未だかつて、こんな豪華な部屋を見たことがあっただろうか?!
天井も金ピカ。
そして天井の草花は絵ではなく、彫刻されてる~
更に階段を上がり次の間へ。
「草丘の間」へやって来た。
この日、企画展をしていた水墨画が飾られている。
部屋の雰囲気ともマッチしてよい展示だった。
天井には秋田杉に15の花鳥画が描かれている。
格天井の一区画が大きく、それぞれの絵が見応えがあった。
雀が何羽も描かれてた絵も可愛い~
他にも様々な種類の鳥が生き生きと描かれていて、
花との調和が美しい。
そして、「静水の間」へ。
次の間は橋本静水による欄間や天井画。
扇子をモチーフに季節の花々が描かれていて、雅やかな趣。
奥の間には池上秀畝の鳳凰・舞鶴が描かれた天井画。
格天井も格縁が二重になっていてゴージャス感が増してる。
「星光の間」奥の間の床柱や四隅の柱、長押などに北山杉天然絞丸太が使われている。
板倉星光による四季の花々やタケノコや柿などの食材も描かれていた。
欄間に描かれた日本画が角丸なので、今までの部屋と違って、やわらかな印象。
「清方の間」へ。
こちら、次の間は又扇子がモチーフ。鏑木清方によるもの。
格天井と網代、そして扇子が合体したような凝った細工の天井。
こちらの部屋も展示物と部屋が一体となっていた。
同じ扇子でも趣向が違う天井。
奥の間の床柱は、北山杉の天然総絞丸太で、今ではなかなか目にすることのできない逸材だそう。
百段階段、とても堪能できた。
この後はホテルのバスで駅まで送迎してもらえ、短かったけど、超充実の
東京二日間のタイル&建築巡りを無事終えたのだった。