東京から毎月関西の建築講座に来られてるSさんが徳島の三河家住宅の見学を申し込まれ、
その見学会があるとのことでお誘い頂き、先日訪れてきた。
三河家住宅は以前、日本タイル博物誌という本で初めて目にしてから自分の中ではとても興味深い建築として記憶の中に残っていた。
個人邸なので内部まで見れることはないんだろうなあと思っていたが、2007年に国重要文化財に指定され、
その後徳島市所有のものとなり現在活用方法を検討中ということで、この度特別に見学させて頂けることになったのだそう。
ちょうど少し前に建築講座の先生のツアーで先に行かれたひろ009さんに、三河邸はとにかく凄くてこれ一軒だけでも
徳島まで見に来る価値があるとも伺っていたのでワクワク!
邸宅の横にはごつごつした岩山のようなものがそびえ立っていて、遠目から見ても何かただものではない異様な雰囲気が漂ってる。
門の前では徳島市教育委員会の方が迎えてくださった。
門柱から塀にかけてアールデコな装飾がほどこされている。
三河家住宅は昭和3年建築。
ドイツへ留学経験のある産婦人科医の施主、三河義行とドイツ帰りの建築家木内豊次郎により設計された鉄筋コンクリート造りの
三階建ての住宅。
基本はドイツ風だそうだが、ヨーロッパ滞在中に見たさまざまな建築物に影響を受け、
ゴシックあり、バロックあり、アールデコ、アールヌーヴォーなどさまざまな様式が入り混じった不思議なデザインになっているという。
大胆な曲線を描くバルコニーはアールヌーヴォー?それともバロック風?
入り口の扉
アーチの上部にはステンドグラスが入れられ、その外側には格子も入れられてる。
ステンドグラスを内側から見たところ。
玄関ポーチの照明
市松模様の玄関タイルは正方形ではなくてひし形だ
弧を描く玄関扉
こちらの上部にも真ん中、両脇にステンドグラスが入れられている。
扉の弧に沿ってステンドグラスも丸みを帯びてる
玄関ホールの照明もとても凝ったものだった。
三階のバルコニーからモザイクタイルが敷き詰められた二階のバルコニーを見下ろす。
建物の脇には不思議な岩山風の小屋。
当初は物置きで外用のトイレも入っていたのだそう。
バルコニーがガウディ風ならこの岩山はモンセラットをイメージ?!
二階のベランダから三階を見上げる。
三階の広々としたバルコニー
三階のバルコニーから見上げると、三角屋根の先には
ヨーロッパではよく見かける頬杖ついた怪人の彫刻、ガーゴイルが乗っかってる。
そのガーゴイルの後ろの塔にも後ほど登らせていただけた。
塔の上は5人くらいでいっぱいなスペース。
三階建てが珍しかった当時では屋根より更に高い塔がそびえ立つこの洋館はさぞ目立っていたんだろうな。
庭にもコンクリート造りのライオンやゾウなどの石像がゴロゴロしていて、
この「考える人」の石像も面白いなあと。
内部編へ続く・・