蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

逃げ水  (bon)

2016-06-15 | 日々雑感、散策、旅行

 梅雨に入り、蒸し暑い日が続いていますが、先週の土曜日は、都内千代田区で 「逃げ水現象」 があったと報じられて
いました。 写真で見ると、“あぁ、あれか!” と、経験した人も多いのではないでしょうか。私も覚えがあります。
なので、割と起こり易い現象のようです。

 ウイキペディアには、次のように解説されています。
『逃げ水(inferior mirage、road mirage)とは、風がなく晴れた暑い日に、アスファルトの道路などで、遠くに水があるように
見える現象のこと。 武蔵野の名物として知られている。 別名 地鏡 とも言う。 近づいてもその場所に水はなく、さらに遠くに
見え、まるで水が逃げていくように見えることからこの名前がつけられている。』

逃げ水(ともにネット画像より)
   


 英語で蜃気楼は、ミラージュ というのでしたね。 この逃げ水というのは、蜃気楼の一種なのだそうです。 ネット ニッポニカから拾い読みしますと、
  『物体の見える方向が、大気の屈折により真の方向からずれて見える現象。 蜃気楼はその光学的(部分的に屈折率が
変化する)原因により次の三つに分けられる。 (1)下方屈折蜃気楼、(2)上方屈折蜃気楼、(3)側方屈折蜃気楼で、これらは、
大気の異常屈折によってできる虚像がそれぞれ下方、上方および側方に見える場合を意味している。  これらのうちもっとも
普通に見られる蜃気楼は(1)である。』  とあり、この逃げ水は、(1)の下方屈折蜃気楼で、地上付近の気温が高く、
上空にいくほど気温が低くなっているときに見られる現象で、夏の日中など 街路上に見られ、あたかも道路上に水たまりが
あるように、自動車などの像がその下方に転倒して見られたりする現象なんですね。
 夏の風物詩~といえば、よく似た現象に “陽炎(かげろう)” がありますが、こちらの方は、局所的に密度の異なる大気が
混ざり合って光がさまざまに屈折して起こる現象で、逃げ水とは、また違った現象だそうです。 しかし、陽炎も良く晴れて
日射が強く、風があまり強くないような時に道路や車の屋根の上などに見ることがあります。 もやもやと、立ちのぼるゆらぎ・・
ですね。

            蜃気楼(魚津)
             (魚津市観光協会HPより)

 

 で、蜃気楼にはまだ2つの違った現象(2)と(3)がありますが、(2)の上方屈折蜃気楼は、 砂漠やアスファルトの路面とは
反対に、極地の海面や冷たい雪融け水などの流れ込む湾のような所で、海面の気温が低く、高度を増すほど気温が上昇する
「気温の逆転」状態がある場合に起こる現象で、異常屈折により虚像が実像の上方にそのまま、あるいは、倒立して見える
のです。 日本では、4~5月頃、富山湾で、雪融け水の流入で水温が低下し、その上空に陸地で温められた暖気が吹き渡る
ようなときに現れたり、北海道のオホーツク沿岸で流氷の季節に見られたりすることがあるのが有名です。

 また。(3)の側方屈折蜃気楼は、水平方向に光が異常屈折するもので、垂直な崖(がけ)や壁などが日差しを受けて
熱せられた場合や、海岸の浅瀬と深みの水温の異なる場合などが、そのような条件をつくりだし、日本で見られる代表としては
九州の有明海や八代海に見られる「不知火」があげられています。

 蜃気楼という言葉はどこから来たのか? については、ネットのいくつかに出ていましたが、 『中国で想像上の動物である
「蜃(みずち)」(大はまぐり)が気を吐いたとき現れる楼閣』 という意味からつけられたとありました。 また、この現象は、
ほかに海市(かいし)、喜見城(きけんじょう)、貝櫓(かいやぐら)、狐楯(きつねだて)、山市(さんし)、蓬莱島(ほうらいとう)などと
よばれたそうです。 
 実際、蛤(はまぐり)は移動する時、ゼラチン状の紐を出して,その浮力によって浮き,それが波にゆられて移動するそうで、
この紐のことをハマグリが気を吐いたとして“蛤の蜃気楼”というのだそうです。


 

 

 

 

 

 

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