今年は、例年になく 台風がたくさん上陸して、各地に大きな被害をもたらしています。
風だけではなく、雨の被害も大きいものがあります。
丁度、57年前、の今日9月26日(1959年 昭和34年)は、超大型台風“伊勢湾台風”があり
ました。 この台風は26日18時過ぎ、930 hP の勢力を持って潮岬の西 15 km 付近に上陸し、
60~70 km の速度で紀伊半島を縦断し、中央高地を経て27日0時過ぎに日本海に抜けたのです。
紀伊半島の和歌山県、奈良県、伊勢湾沿岸の三重県、愛知県、日本アルプス寄りの岐阜県を
中心に犠牲者5,098人(死者4,697人・行方不明者401人)・負傷者38,921人を記録したのです。
この、伊勢湾台風での犠牲者の数は、1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災が発生する
まで、第二次世界大戦後の自然災害で最多のものであり、さらに、ほぼ全国に及んだ経済的
被害は人的被害以上の規模となり、GDP比被害額は阪神・淡路大震災の数倍で、関東大震災
に匹敵し、東日本大震災との比較対象に達するものであったというから相当なものだったので
すね。人的被害、経済的被害の規模の大きさから、明治維新以後で最大級の自然災害の一つで
あったそうです。
台風17号(2016.9.26)
(高知大学HPより)
今年は特に、台風の上陸が多いのではないかと思ったことから、ちょうど今日という日で
あった伊勢湾台風に触れましたが、 当時、安保闘争の大衆メンバーの一人として、御堂筋を
デモし、機動隊と正面対決をするなど、連日 明け暮れていたようで、この大きな台風のことは
知りながら、直接の被害にあわなかったからか、歴史の中の存在としては、どちらかといえば
希薄だったかもしれません。 この年の4月には、当時皇太子のご成婚があり、華麗なパレード
が印象的でしたが、夏を過ぎるころから、「60安保」熱が次第に大きくなり、学校の授業もそ
こそこに、安保議論を盛んに交わし、あとはデモ三昧の毎日だったような記憶が残っています。
しかし、今振り返って、改めてその威力と被害の大きさを見るとき、当時の被災者の皆さん
のご苦労が思いやられます。 今年だけを取ってみても、各地の地震、強風、豪雨による河川
決壊、土砂崩れ、都市部でも浸水被害と後を絶ちません。 地球全体の温度上昇等による天候
不順、ゲリラ豪雨の多発などますます悪化しているのではないかと思われて仕方ありません。
台風に限定して、気象庁データから 1971年から45年間の日本への接近、上陸台風の数を
グラフ化してみました。
45年間の台風接近・上陸数
(気象庁HPより加工しました。)
やはり、ここ10年くらいで見ますと、今年は台風上陸が多いことが分かります。上陸した
台風がない年もあります。 1970~2000年での平均値で見ますと、台風の年間発生数は26.7
個、うち日本接近数は10.8個、さらにそのうち上陸した台風数は、2.6個となるそうです。
17号の本土上陸はなかったですが、例年、10月頃の台風もあるようですから、まだ、安心
できません。