“目からうろこが落ちる”とは、故事ことわざ辞典に「今までわからなかったことが急に
理解できるようになることのたとえ」とありましたが、 皆さんも良くご存じで、まるで、
ウロコに包まれていた目が、突然剥がれて、パッと明るく理解し納得できる・・そんな情景
なのでしょうね。
辞典には、注釈として次のような、解説がなされていました。
『 鱗で目をふさがれた状態のように、よく見えなかったものが、急にその鱗が落ちて鮮明
に見えるようになったということ。新約聖書、使徒行伝・第九章にある「The scales fall
from one's eyes.」という言葉に基づく。 キリスト教を迫害していたサウロの目が見え
なくなったとき、イエス・キリストが、サウロを助けるようにとキリスト教徒のアナニヤに
指示した。アナニヤがサウロの上に手を置くと、サウロは目が見えるようになり、このとき
サウロは「目から鱗のようなものが落ちた」と言っている。』 出典が書かれていました。
(ネット画像より)
ネットを、繰っていましたら、「目」というのは、たくさんの意味を持っていることが
わかりました。以下に、goo辞書から、いくつかを引用しますが、どれも普段何気なく使っ
ている意味で、改めて言われるほどではありませんが、それにしても・・という感じです
ね。
1 物を見る働きをする器官。光線・色などを感受して脳に送る感覚器官で、脊椎動物では
眼球およびその付属器の涙腺などと視神経からなる。「澄んだ美しい―」「―をあける」
2 物を見るときの目つき。まなざし。「するどい―で見る」
3 物を見る能力。視力。「―が悪い」
4 見ること。見えること。「お―にかける」
5 注意して見ること。注目。「世間の―がこわい」
6 見分ける力。洞察力。「私の―に間違いはない」
7 見たときの印象。外観。「見た―がよくない」
8 その者が出会ったありさま。体験。「つらい―にあう」「いい―を見る」
9 位置・形状などが1に似たもの。
㋐主要な点。物の中心。「台風の―」
㋑眼球の形をしたもの。「うおの―」
㋒縦・横の線などが交わってできるすきま。「網の―」「碁盤の―」
10 線状に1列に並んだものの間にできたすきまや凹凸。「櫛 (くし) の―」
11 のこぎりの歯や、やすり・すりばちなどの表面に付けた筋。「―立て」
12 賽 (さい) の面につけられた一から六までの点。また、振るなどして表れたその数。
「賽の―」「いい―が出る」
13 囲碁で、連結が完全な石で囲んである空点。「―が二つで活 (いき) 」
14 物差し・はかりなどに数量を示すために付けたしるし。「はかりの―」
15 はかり・升などではかった量。重さ。「―が足りない」
16 木材の切り口に現れる年輪の線。木目 (もくめ) 。「―の粗い板」「正 (まさ) ―」
17 文様または紋所の名。方形またはひし形の中心に点を一つ打った形のもの。「五つ―」
<接尾>
1 数を表す語に付いて、その順序にあたる意を表す。「二番―」「一〇年―」
2 動詞の連用形に付いて、その状態にあること、また、その状態にあるところを表す。
「弱り―」「落ち―」「結び―」「別れ―」「こげ―」
3 形容詞の語幹に付いて、そのような性質や傾向をもっている意を表す。「長―」「細―」
4 数を表す語に付いて、匁 (もんめ) の意を表す。「百―」「一貫―」
畳の目
(ネット画像より)
このように、「目」には多くの意味があることが改めて認識されるところですが、「目」
を「モク」と読むと、さらに範囲や分類に通じた意味もあるのですね。 どうして「目」が
このように広範囲な意味を持つようになったのでしょうか?
目からウロコ みたいな目が入った慣用句を思いつくまま列記してみました。 途中、
ネット(goo辞書)に、たくさん出ていましたので、そちらからも拝借させていただきました。
目は口ほどにものをいう 目ざとい 目が点になる 目でモノをいう 目が曇る 目に
留まる 目が利く 目がさえる 目が肥える 目が近い 目が離せない・・ さらに、目が
高い 目立つ 目に余る 目から火が出る 目に浮かぶ 目にかける 目が光る 目の色を
変える 目の中に入れてもいたくない 目の上の瘤 目を配る 目を肥やす 目を回す
目を三角にする 目を丸くする 目を見張る 目を盗む 目を通す 目を引く 目から鼻に
抜ける 目分量 目検討 目安・・まだまだありますが、この辺でやめにします。
目だけではなく、顔に関連して・・・
顎が落ちる ほっぺたが落ちる 鼻にかける 鼻持ちならぬ 口をひねる 舌の根も乾か
ぬうち 舌先三寸・・ 耳が遠い 耳ざわり・・意外と、耳がないのですね。