今日11月27日は、ノーベル賞制定記念日だそうです。
1901年11月27日に、ノーベル賞の第一回の授賞式が行われたことを記念した日で、
現在では授賞式はノーベルの命日にあたる12月10日に行われています。
で、この日に因んで、ご存知のノーベルについて、改めて調べてみました。
アルフレッド・ベルンハルド・ノーベル(Alfred Bernhard Nobel, 1833年10月21日
― 1896年12月10日)は、スウェーデンの化学者、発明家、実業家で、ダイナマイトの
発明で有名です。
建築家で発明家(ベニヤ板の発明など)の父の4男として生まれ、一家は貧しく 8人
兄弟のうち成人したのは4人だけだったそうです。 しかし、父は単身サンクトペテル
ブルグに渡って、機械や爆発物の製造で成功し、合板を発明し、機雷製造を始め大きく
成功しました。 アルフレッドが9歳の時(1842年)、家族はサンクトペテルブルクに
移り、学校には通わずに複数の家庭教師がつけられ、特に化学と語学を学んだとありま
す。語学も、母国語以外に英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語もできたそうです。
アルフレッド・ノーベル
(ウイキペディアより)
その後、アルフレッド(ノーベル)は、 爆発物の研究に没頭し、特にニトログリセ
リンの安全な製造方法と使用方法を研究したのです。
ニトログリセリンは少しでも衝撃を与えると爆発してしまい、誤爆事故が頻発して
使いずらいうえ、狙って爆発させることが難しい欠点がありましたが、それを克服する
のです。
ニトロの運搬中に使用していたクッション用としての珪藻土とニトロを混同させ粘土
状にしたものが爆発威力を損なうことなく有効であることがわかり、これに雷管をセット
して起爆する方法を発明しました。この新しい爆破システムにギリシヤ語のデュナミス
(力)からダイナマイトと名付けました。
ノーベルはその後 はるかに爆発力の強いブラスチングゼラチンスタイルのダイナマイ
トを開発しましたので、珪藻土を使ったダイナマイトは科学史のトピック的存在にとど
まったそうです。
その後、50カ国で特許を得て100近い工場を持ち、世界中で採掘や土木工事に使われる
ようになり、一躍世界の富豪の仲間入りをするのです。さらに、1875年にはダイナマイト
より安全で強力なゼリグナイトを発明しています。
1895年、ノーベル62歳の時、持病の心臓病が悪化し、ノーベル賞設立に関する記述の
ある有名な遺言状を書きます。病気治療に医師はニトロを勧めますが、彼はそれを拒んだ
といいます。1896年12月7日、突然倒れ、その3日後に息を引き取るのです。享年63歳。
この遺言においてノーベルは、「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されな
くてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、
その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるもの
とする」と記されており、1900年にノーベル財団が設立され、翌年「第1回ノーベル賞」の
授与が行われています。
ノーベル賞
(ウイキペディアより)
ノーベル賞は、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の「5分野+1分野」
で顕著な功績を残した人物に贈られていますが、 経済学賞だけはノーベルの遺言にはなく、
スウェーデン国立銀行の設立300周年祝賀の一環としてノーベルの死後70年後にあたる1968年
に設立されています。ノーベル財団は「ノーベル賞ではない」としていますが、一般には
ノーベル賞の一部門として扱われているようです。
日本では、受賞金は、非課税ですが、経済学賞(対象者いませんが)だけは課税される
そうです。
ノーベル賞授賞式は平和賞以外はストックホルムで、平和賞だけはノーベルの遺言通り
ノルウェーのオスロで行われるのだそうです。
なお、ノーベルは、ヨーロッパと北米の各地で会社を経営していたため、各地を飛び
回っていたそうですが、孤独な性格で、一時期はうつ病になっていたこともあるそうで、
生涯独身を通し、子供はいなかったそうです。
また、1896年に亡くなった時には、3100万クローネ(今のお金にすると100億円くらい?)
もの資産が形成されていたそうで、財団はその後の運用や寄付などにより、現在約40億ク
ローネ(600億円)ほどになっているとありました。
ノーベル賞に、数学の分野がありませんが、数学の分野では カナダの John Charles
Fieldsが 1936年に「フィールズ賞」を創設し、「数学のノーベル賞」と一般に言われてい
ます。 こちらはノーベル賞が、過去に大きな業績を残したもののかなり年配の研究者に
贈られることが多いのが おかしいとして、受賞年齢を40歳以下に限定していて「大発見を
して、これからも精力的に研究をしてくれそうな研究者」に贈られることになっていて、
ノーベル賞よりも敷居が高いと言われているそうです。
それにしても、ノーベル賞選定における案件調査の広さ、深さとその見識の高さには、
常々感心させられています。世界各地で、活躍し、業績を上げている多くの案件の中から
峻別するプロセスとその意味、結果に感銘さえ覚えるときがあります。