3年前に千葉県流山市にオープンした「森の美術館」では、この秋の企画展、松下久信画伯
による『 画業60年~北の大地を描く~』が開催(10/2~12/22)されています。
松下画伯は、私の友人(会社同期)、T氏と同じ金沢のご出身で、小学校同窓とのご縁から、
この企画展が開催されるに至ったそうです。 T氏からは、早くにご案内をいただきながら、
蓼科農園の収穫祭がらみなどで、訪問が延び延びとなっていまして、ようやく昨日(12/5)
行ってきました。
つくばエクスプレス 流山おおたかの森駅 からタクシーで5分くらいのところに、森に囲ま
れたような感じの静かなたたずまいの中に、美術館がありました。 しかし、この周辺地域
は、今が住宅開発の始まりのようで、広い 中央分離帯もある真新しい道路は既に完成して
いて、周辺エリアは活発な工事が行われていました。 近い将来、巨大都市が出現するので
は・・と思わせる光景でした。
森の美術館 受付横
松下画伯は、1941年の生まれで、1967年全国一水会展初入選、85年には日展初入選、2003
年、2008年には日展特選受賞の輝かしい経歴で、日展、一水会の審査員も務められ、昨年、
石川県文化功労賞を受賞されています。現在、日展会員、一水会常任委員とありました。
企画展『 画業60年~北の大地を描く~』は、主に、北海道美瑛の丘を100号以上のカンバ
スに、豪快な力強いタッチの中に、刈り取られた牧草の集積や雪面のわだちの跡などに繊細
な心遣いが加味され、見晴るかす大地に営々と続く人々の営みの姿が、むしろくっきりと
浮彫されているのでした。
美しいラベンダーなどの“パッチワーク”の、お馴染みの光景も描かれていましたが、
画伯の今回の展示は晩秋の風景が多く、遠く大雪山系(十勝岳?)らしい雪を頂く山並も
素晴らしい感動でした。
清穏の丘 日展2012年 (写真撮影許可でしたので)
私は、かってこの地を訪れたのは、夏の盛りで、パッチワーク、緑の丘の遠望、大雪も
すべて夏模様でしたが、この企画展での晩秋の景色は、大地と人とのコラボレーションが
一層密に凝固しているようでした。
館内
すばらしい迫力満点の油彩に囲まれて、しばし圧倒されましたが、 ロビーで美味しい
コーヒーとクッキーをご馳走になり、買い求めた絵葉書を数枚繰り返し見とれているうちに、
とてもリラックスした爽やかな気分になり、美術館を後にしました。
ロビーからの眺め
『森の美術館』は、森に囲まれた美術館でもありますが、開設され館長であるご本人は、
森忠行さんとおっしゃるので、“森さんの美術館”なんですね。
この日は、日中良いお天気でとても暖かでした。