目の前に建設中の集合住宅には、この10か月ほどの間シンボルのようにそびえ
ていた大型クレーンが、昨日解体されました。その一部始終を観察しました。
30mほどの円柱の上にプラットホームがあってそこからさらに30mほどのクレー
ンアームが伸びています。このアームは、6mくらいの部分アームが 5つ赤白に
塗られて伸びています。
クレーン全景(晴れた日にパチリ)
ここは、市民農園としておよそ100区画(15㎡/区画)ほどの菜園で、私も1区画
を10年近く借りて夏野菜などを作っていたところです。そこに、集合住宅が建設
されることになりました。 少し前に当ブログに建設模様を記事アップしました。
(あの市民農園は・・2020.8.27)
先週初めから、躯体を取り囲んでいた足場の解体が始まり、全容が少しずつ表
れてきていましたので、そろそろこの大型クレーンの解体があるだろう。 立ち
上がる時は見過ごしているので、何としても解体は、その一部始終を見たいと思っ
ていました。今週に入って、今日か、今日かと待ち構えていた感じでした。それ
が、昨日の9時半ころから解体が始まりました。
30mほどの円柱、その上に載っかっている30mほどのアーム、これをどの様に
して解体するか? いろいろと想像はしてみたものの、やはりパズルみたいな感
じでした。なので、この一部始終を見るのが大変興味深く思っていました。
櫓のような1m四方の、片側に滑車がついている鉄枠を、自クレーンで吊り上げ、
プラットホームの中央にある円柱のてっぺんに取り付けます。その滑車に、プラ
ットホーム本体にワイヤを巻き付けて、なんと、自分(プラットホーム自体)が、
円柱に沿って、下に5㎝/秒くらいのゆっくりとした速さで円柱のつなぎ部分の少
し下まで降りて来るのです。
これが“ミソ”だったのです! なぁ~るほど!
自クレーンで鉄枠引き上げ 円柱先端に鉄枠を取り付け
円柱を、つなぎ目より少し下まで降りる ボルトを外す
ボルト部分
円柱のつなぎ目のボルト(20個くらいありそう)を外す。円柱の先端は、鉄枠
によって自クレーンで吊られています。 つなぎ目のボルトが外されると、円柱
1部分(約5m)が本体から外れて吊り上げられ下に降ろされるのです。
円柱の部分が外れる そのまま下に降ろされる
円柱は、全部で6本繋がっていますから、残り5本となり、やや低くなったので、
別のクレーンによって、先ほどと同じように、鉄枠を吊り上げ、円柱の先端に取
り付けられ、滑車によってプラットホームがさらに1つ下がって、先ほどと同じ手
順が繰り返されるのです。一つ一つ慎重に実施されました。
円柱5部分目を外す 地上には、トラックが待ち構えている
最後の1つの円柱まで来ました。 地上少し上から、クレーンアーム(30m)が、
まだそびえています。クレーンは、赤白に塗り分けられた5部分(計30m)あります。
さあ、今度は、このクレーンをどうやって解体するか? 興味はまだまだ続き
ました。
何やらワイヤを盛んに手繰ったり、何か難しいようなことをして、とうとう
一人は、クレーンのてっぺんまでよじ登ってゆきました。もう一人は、最上部分
の下あたりまで登りました。安全帯のフックを2か所づつ掛けながら慎重そのもの
ですが、下から見上げているだけでもぞくっとする感じでした。
クレーンアームのてっぺんに、 別クレーンのワイヤがつけられる
クレーン第一部分の接続部のボルトを外す。 第1アームは吊り上げられる
別クレーンで、吊り上げ、アーム部分を下ろした後、次の部分を吊り上げる時、
アームのつなぎ目部分に一人いて、そこに立ち寄りボルトなどの部品を入れるた
めの袋を置いて、先端まで上がってゆくのです。手順が見事に組まれているので
す。これらの作業が続きますが、その間ずっと2人はアーム上にいるのです。
第2部分アーム取り外し アーム吊り下げる
全工程は、休憩などを挟んで、午後3時過ぎころまでかかりましたが、凄い迫力
のライブでした。 解体作業は無事完了しました。
ずっと疑問だった、大型クレーンの解体作業の一部始終をしっかりと見ました。
もちろん円柱やクレーンの構造、解体手順などは全く無知ですから、どのように
展開されるのかを、勝手な想像と共にかたずをのんで長時間付き合ったのでした。
子供の頃のような好奇心で・・。
古伝巣籠(鶴の巣籠)[KODEN SUGOMORI(TSURU NO SUGOMORI)] / 寄田真見乃