3月4日から10間にわたって繰り広げられた冬季パラリンピックは、昨日無事終わりました。
雪と氷の中で選手たちは素晴らしい技と力を発揮され、世界は一つ、分かち合いの舞台が展開さ
れていました。しかし、大会直前に、ロシアとベラルーシの選手たちの参加は除外される処置が
とられるなど、本来は素晴らしいスポーツの祭典が、どこか影を落として重ぐるしい何かを引き
ずっていた感があります。 テレビ観戦中も、どこからともなく風穴から冷たい風がしみ込んで
いて心から楽しめない気持ちでいたのは私だけでしょうか?
ウクライナの選手たちは、国が家族が戦火に見舞われている中での競技はいかばかりかと察す
るに余りある状況かと・・。 それでも、獲得したメダルは、地元中国に次いで2番目に多く、
金11、銀10、銅8の凄い成果を上げたのでした。 過去の大会ではどうだったのか知りませんが、
とにかくすごい頑張りであったのでしょう。
(テレビ画面より)
それにしても、これまでこの地球上で各地にいざこざはあったにせよ、今回のような歴然と戦力
差がある国が1国に軍事侵攻し、首都を包囲し市街戦が展開されるなどありえないことだと思って
いました。 ほぼリアルタイムにテレビ報道される今日、堂々と民間居住地へのミサイル攻撃が
繰り返され、子供や妊婦を含む大勢の犠牲を出す『戦争』が、この21世紀に起こるなどまったく
信じられないことです。
270万人に及ぶ避難民、国内では兵糧攻め同然の状況下に置かれた人々、まさに地獄絵図さながら
の地域が現実にある中でのスポーツの大会はあまりにもチグハグな展開で、このようなことには
微塵の配慮もなく、ただひたすらに我が身中心の強権をひけらかす大国をどの様にコントロール
すればよいのでしょうか?
(テレビ画面より)
過去の大戦を繰り返すことなく平和を追求する目的から国連が設立され、その国連憲章前文に・・
『われら連合国の人民は、われらの一生のうち二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の
惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関
する信念を改めて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持する
ことができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、
並びに、このために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、国際の平和お
よび安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないこと
を原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するため
に国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集する
ことに決定した。』 そして、『国連憲章のもとに、国際の平和と安全に主要な責任を持つのが
安全保障理事会である。理事会は15カ国で構成される。常任理事国5カ国(中国、フランス、ロシア
連邦、イギリス、アメリカ)と、総会が2年の任期で選ぶ非常任理事国10カ国である。』とあり、
決議は採択により決定されますが、常任理事国の反対はこれを否決することが出来るとありこの
ままではロシアを排除することはできないのですね。 大きな矛盾を含んでいるのですね。
【スライドショー】北京パラリンピック閉会式 露など除外、戦時下の祭典に幕