蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

培養肉  (bon)

2022-07-13 | 日々雑感、散策、旅行

      昨日のテレビで、安倍元首相を載せた大きな黒塗りのリムジンと何台かの車が
     ゆっくりと、首相官邸、永田町を巡り、各所で議員らが見送る様子が報じられて
     いましたが、改めて事件の大きさを思い知るところとなりました。
      一昨日の新聞には、今年の夏の高校野球、地方予選大会の結果が載っていましたが、
     何と千葉県の2回戦で、点差が82対0を筆頭に、三重県では60対0、その他38点、37点が
     あり、点差が20点以上の対戦は11試合ありました。元気な声が聞こえてきそうですが、
     いくら元気な球児でもこれほどの点差を前につかれたことでしょう。

 

 最近ちょくちょく耳にしますが、大豆で作られた「お肉」など「代替肉」が出
回り始めているといいます。

 ウイキペディアに『「代替肉」とは、従来の家畜肉の代替として作られた食品
のことである。 代替肉には大きく分けて二種類あり、大豆などの植物性原料を
使い、肉の食感に近づけたプラントベース(植物由来)食品と、動物の細胞を培養
して作る培養肉など動物細胞ベースの代替肉がある。』とあります。

        大豆たんぱくのミートパイ
        (ウイキペディアより)

 培養肉の方は、開発途上でありまだ殆ど流通はしていないそうです。
 手元に届いた会報記事に『培養肉研究の最前線』(竹内昌治氏、東京大学大学院
情報理工学研究科教授)と題した研究開発状況が掲載されていましたので、ネット
情報も併せて概要をピックアップしてみました。

 人間の食肉文化は、太古の狩猟から始まり、畜産へと移り安定した供給、品種
改良などがすすめられていますが、将来を展望した時には次の4つの理由から現
状のままでは行き詰まりを来たし、家畜肉に代わる何かを求める必要があるとい
うのです。

 その4つの理由とは、①食肉需要が増大する。30年後には世界人口が百億人
に近づくとされ。新興国が豊かになると肉の消費量が増え、肉の生産量を現在より
1億トン以上多い4.7億に増加させる必要があると予測されているという。つまり、
現状の3割増ということになる。 ②しかし、環境負荷の点から、単に畜産を増や
せば済むということにならないのだそうです。どういうことかといえば、現状の
畜産技術では、人間が排出する温室効果ガスの14.5%が家畜から出ており、また、
肉1㎏生産するのに必要な水は1.5万リットル、飼料は11㎏を超える(農水省試算)
とあります。最近の報告では、牛肉消費を20%減らすだけで森林破壊を半減でき
るというのもあります。 ③衛生管理にも多大な労力がいる。口蹄疫などの家畜
疾病やインフルエンザなどの感染症の防止や、病原菌を死滅させる抗生物質の開
発も耐性菌の出現といたちごっこ。 このことは、抗生物質耐性菌の温床となり
ひいては人間の健康を脅かすことにつながりかねない。④動物福祉。現状の大量
生産・大量廃棄の状況では、フードロスなどの命の無駄が多く、また、動物の快
適性に配慮した管理の構築が急がれている。世界で1年間に廃棄されている肉を牛
に換算すれば、なんと 7千5百万頭分に及ぶそうです。

 こうした背景から代替肉が登場し、動物の細胞を体外で培養する培養肉の開発
が進められているということなんですね。

       調理中のハンバーグステーキ
        (ウイキペディアより)

 2013年にオランダで「培養肉バーガー」が初めて実現し、ロンドンで試食会が
行われ、2020年にはシンガポールで「培養肉チキンナゲット」が販売され、同国
のレストランで提供されたそうです。

 現在開発されている培養肉は、ミンチ肉系とステーキ肉系があり、多くは、生体
組織を忠実に再現する必要のないミンチ肉系だそうですが、会報記事にある東京
大学では、ステーキ肉系の再現に取り組んでおり、3次元組織工学技術をベースに
筋線維が配向された生態同様の本格的なステーキ肉の再現に取り組んでいるとあ
ります。

        (日清食品ページより)

 筋芽細胞を入れたコラーゲン溶液からゼリー状のゲルシートを作り。これを何枚
も積層して、繊維状の構造体すなわち筋線維を形成する。この筋線維に電気刺激
を与えて肉特有の食感を得ることに成功した。今年(2022年)3月に学内で試食会
を行ったとあります。
 その感想として、『意外と歯ごたえがあり、口の中でなかなかなくならなかっ
た。まだ、牛肉の風味はなかったが、うま味は感じることが出来た。』 そうで、
今後は、この味が何に起因し、どのように変化させることが出来るかなどの課題
に取り組み、味、香り、食感などの「おいしさ」の追及にさらに推進される と
ありました。

 どの時点で味が生まれるのか、など味の本質に迫る研究にも発展し、基礎科学
としても大きな意義がある一方、ステーキ肉の開発は、工学、医学、生物学、化
学、食品科学、人文社会学などの異分野融合型の研究体制を構築して、2025年を
目指してステーキ肉の実現を目指しているとあります。

               

 このほか、ウイキペディアによれば、培養肉に参入している企業は世界で70社
以上といわれ、牛・豚・鶏・魚・甲殻類・うなぎ・フォアグラ・ホタテなどの培
養肉の研究開発が進行中だそうです。これらは、試験管肉とも呼ばれ、人工的に
牛肉や豚肉、魚肉などを生産する技術を「細胞農業」と呼ぶなどともありました。

 確かに、屠殺する必要がなく、厳重な衛生管理ができ、地球環境にも負荷が少
ないとなれば将来的に大いに注目されていますね。あの俳優であり、環境活動家
のレオナルド・デカプリオは培養肉の開発社に投資していると話題になったそう
ですが、彼はさらに培養シーフードへも投資を行っているとか。

 私自身にとっては、培養肉は何となく苦手な感じですが、これは食わず嫌い・・
の部類なのでしょうか。

 

 

"Rum and Coca-Cola" Pete Jacobs Wartime Radio Revue

 

 

 

コメント (2)
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