蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

すばる  (bon)

2023-02-21 | 日々雑感、散策、旅行

 昴(すばる)は、谷村新司の歌で有名ですが、自動車のSUBARUは、世界的に
知られた車で、私も若い頃に愛車スバル「レオーネ」を2世代続けました。

 ・・あぁ~砕け散るゥ 宿命(さだめ)の星たちよ~ せめてェ~密やか
に~ この身を照らせよ 我~は行く 蒼白き頬のままで 我~は行く さら
ば~昴よぉ~

 そうですね。昴は、プレアデス星団というのですね。

        すばる(プレアデス星団)
         (ネット画像より)
 
                 自動車スバルのロゴマーク


 冬空の定番、オリオン座の中心部の3つ並んだ星を右上方に延長すると、お
うし座の1等星アルデバランが見えますが、さらに右上方に目をやると、6~7個
の少し暗い星団が見つかります。それが昴です。おうし座にあるプレアデス星団
の日本名なんですね。

       位置関係
         (ネット画像より)


 この星団は、古くから知られていて、何と! あの枕草子の236段に
『星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。尾だになから
ましかば、まいて。』

(星はすばる、ひこぼし、宵の明星が良い。流れ星も少し趣がある。尾を引か
なければもっとよいのだけれど。)

と、1番に昴を挙げているのです。彦星(牽牛星)や金星よりも、目立たない
明るさながら星が集まってキラキラ輝く昴を1番に挙げているのですね。

                       

 いつもの会報に、『宇宙の言の葉を尋ねて』と題する第1回目に「すばる
(昴)」が取り上げられていました。執筆者は、渡部潤一氏(国立天文台上席
教授)で、連載で担当されるとのことですから、これからも楽しみです。

 そんなことから、今回、この昴を取上げたのですが、少し専門的に渡部氏の
記事から引用させてもらいました。上に述べた、枕草子の下りも氏の記事でし
たが、別途にも
調べてみました。

 『すばるは散開星団に分類される星の集団である。散開星団とは、同じ母親
から生まれた兄弟姉妹のたくさんの星たちが、比較的まばらに集まっている天体
である。青白く若い星々の集まりであることが多く、すばるの星々もまだみな
青く輝いている。(星は、年齢を重ね、老齢になると赤くなることが多い。) 
 自分を生み出してくれた母親であるガスの星雲を自らの輝きで吹き飛ばし、
独り立ちしつつある兄弟姉妹の星たちの集団といえる。その推定年齢は8千万年
から1億5千万年程度で、散開星団の中でも若い部類に属する。』

 さらに記事を要約しますと、すばるの地球からの距離は約440光年だそうで、
構成する星たちの広がりは40光年ほどだとあります。これら兄弟姉妹の星たち
は、成長するにしたがって人間でもバラバラに生活するように、やがてはチリ
ジリバラバラになって行くのだそうです。散開星団が一緒に暮らすのは、せい
ぜい数億年程度だとあります。時間のスケールが違いますけれど・・。しかし、
その頃には「すばる」は消えているのですね。

 再び、・・ああ さんざめく 名もなき星たちよ せめて鮮やかに その身を
終われよ 
我も行く 心の命ずるままに 我も行く さらば昴よ~

 谷村新司は、このプレアデス星団をよく理解し、そしてそれに人生を重ねて
詩を構成しているのですね。楽曲「昴」の意味深きことを改めてかみしめて・・
今一度、曲を聴いてみました。

 

 

昴 すばる Subaru - 谷村新司 Shinji Tanimura (Re-arranged HD version) 2K

 

 

 

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