蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

シェルブールの雨傘  (bon)

2023-06-23 | スポーツ、芸能、映画

 これまで何度も音楽は聴いていましたが、映画を観るのは始めてでした。
先ごろBS3で放送されたのを録画していました。

 1964年のフランス映画です。 ジャック・ドゥミ監督のこの映画は、音楽を
ミシェル・
ルグランが担当し、全編を音楽(歌う)のみでセリフが一切ないミュ
ージカル映画で、第17回カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品なんで
すね。そして、主題曲は世界中でヒットして、私なども音楽はよく聞いていま
した。

                 (cine tamarisより)

 原題は、Les Parapluies de Cherbourg (英題:The Umbrellas of Cherbourg)
で、フランスの北西部、ノルマンディ地区のイギリス海峡に面したコンタン半島
にある小さな港湾の町、シェルブールがその舞台で、その街の雨傘店の娘、主役
を演じるカトリーヌ・ドヌーブと近くの自動車整備工員との悲恋物語なんですね。

       ノルマンディ(白く囲んだところがシェルブール)
       (ウイキペディアより)

 ストーリーは、第1部旅立ち、第2部不在、第3部帰還、そしてエピローグに
分かれ、1957年から63年まで、アルジェリア戦争を挟んだ物語です。
 17歳の傘店の娘と愛し合う20歳の工員は結婚の約束をしますが、工員に兵役
の令状が届き旅立ち、娘は2年間の不在を苦悩のうちに過ごします。そこに裕福で
やさしい宝石商が現われ、娘の母親も気に入っているある時、宝石商から娘との
結婚の希望が告げられますがその時、娘のお腹の中に工員の子を宿していて躊躇
しますが、宝石商は、自分たちの子として育てようと結婚式を挙げます。

       (ネット画像より)

 その内、工員は兵役が終わって帰って来た時には、傘店は廃業してパリに移り
住んでいました。 工員は、一人悲嘆にくれますが、叔母さんを看病していた
やさしい女性と結婚し子供もでき、ガソリンスタンドを経営するのです。

 クリスマスの夜、パリからこの町に来ていた傘店の娘は、ガソリン補給のため
にこのガソリンスタンドに車を寄せるのです。 出てきた店主は、昔恋焦がれ
ながら分かれたあの工員だったのです。助手席の子は、あの時の工員との子供
だったのですが会うこともなく、娘から「今は幸せか」と聞く言葉にただ頷く
工員をそのままあとにして車は姿を消すところで終わります。ガソリンスタンド
には雪が降りしきりカメラはそのまま引いて行くのです。

       (ネット画像より)

 このようにストーリーは、よくあるパターンで、特にどうということもあり
ませんし、あのシェルブールの駅で別れたまま何年か後に偶然自身が経営する
ガソリンスタンドで再開するクライマックスの最後のシーンであるはずが、さ
らりと「今は幸せか」と一言聞くだけで別れてしまう・・なんだか惜しまれる
感じでもあります
が、しかしそれが、二人の今の幸せな生活を物語る、甘くほの
ぼのとした余韻として豊かなメロディーとともにフェードアウトして行くのです。

             

 ネットの評に、「何気ない普通のセリフが全て歌によって語られる。映画に
よるミュージカルの手法というものを根底から覆し、オペラの手法を導入した
革新的な表現である。 映画ではそのストーリーの部分に焦点を合わせるため
音楽は効果として使われるのが一般的だが、本作は全く逆であり、音楽ありき
ながらミュージカルの装飾的演出を排除した一般的な映画の表現である。」 
「やはり若き日のカトリーヌ・ドヌーブの存在感は圧倒的である。何より本作
に酔う人はミシェル・ルグランの音楽の魔法に掛けられていると言っても過言
ではない。」などが寄せられていました。
 イタリア映画のような心を揺さぶる激しい感情はありませんがメルヘンチック
な素晴らしい作品でした。

 

 

 

「シェルブールの雨傘 Les Parapluies de Cherbourg」~Soundtrack by Michel Legrand

 

【拾い物】追悼 ミシェル・ルグラン シェルブールの雨傘 壮大編曲ver (Michel Legrand - Les Parapluies de Cherbourg)

 

 

 

 

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