先に、当ブログにて「黄金比」を記事アップした時(2019.7.13)、フィボナッチ数列に
ついては触れずにいました。 以前、株式投資の妙策として、黄金分割(黄金比)の考え
方が有効だと言っている人がいましたが、何のことか聞きそびれているうちに ずいぶん
時間が過ぎてしまいました。
そんな時、たまたま手元の会報に、この関連記事(長谷川 晃氏、大阪大学名誉教授)
がありましたので、前回の続きという位置づけでここに取り上げてみました。
黄金比を簡単におさらいしますと、線分を分割して、a、bを作った時、a/b=(a+b)/a
が成り立つ a、b の比が黄金比(黄金分割)Gとよばれ、
G =(1+√5)/2 =1.61803399 でした。
具体的なイメージでは、ある矩形の短い辺で作る正方形をその矩形から切り取って残る
小さな矩形が元の矩形と相似形となる時、その矩形の縦横比が黄金比(黄金分割)となる
のです。 この矩形の短い方の辺を1とすれば、長い方の辺が1.618・・となるのですね。
元の矩形から正方形が切り取られ残った矩形の辺の比もまた、黄金比1.618・・となり
ます。
この比が古代から美しい図形とされ、現在の家庭の液晶テレビの形がこれに近いのだ
そうです。
さて、前置きが長くなりましたが、フィボナッチ数列というのは、0から始まる
0,1,1,2,3,5,8,13、21、34、55、89,144・・
のように、前の2つの数字の和が次の数字となるような数列をいい、この時相隣り合わせ
る数字の比が、限りなく黄金比 1.618・・に収斂するというのです。
つまり、3/2=1.5、8/5=1.6、13/8=1.625、21/13=1.615、34/21=
1.619、55/34=1.618、89/55=1.618・・でどんどん1.618に近づいてくるのです。
フィボナッチ数列の特徴は、このように隣り合わせる数字の比が限りなく黄金比に近づ
くほか、数字が指数関数的に増大すること、さらに、この数列は、前の2つの数字に依存
するため、マルコフ過程とよばれる確率過程の予測に利用出来る可能性があるということ
なんですね。
たとえば、親子関係や株価のようにランダムな動きをする中で、次に起こる事象の確率
が直前の事象確率に影響されるような事象の予測に利用できるというのです。
、長谷川氏によれば、ニューヨークダウ工業平均株価の推移をみれば、1937年のそれは、
約200ドル、2017年では 約24300ドルで、この80年間のNYダウ平均株価は 121倍に増加して
おり、これを対数目盛として表示すれば、図のように直線で表され、しかも、黄金比Gの
10乗の値、すなわち 123に近い値となっていることから、8年毎に黄金比1.618倍で増加し
ていると指摘されています。
(長谷川 晃氏資料より)
(横軸は、1937年~2016年まで)
実際には、直線に乗らずに凸凹期間がありますが、株価の上昇が鈍化していても、その
後急激な回復があり、結果として直線に回帰していると考えられているのです。
80年で Gの10乗ということは、大略、8年毎に G、つまり1.618倍に上昇していること
になり、これは年率に置き換えると、約6%の利率となり、これが長期にわたる実績であ
ることが証明されていることになるのですね。
株価が長期にわたり、このように直線的に(実際には指数関数的に)上昇していること
に実感されないかもしれませんが、NYダウに見る限り、投資スタンスが投機的色彩が少な
く長期安定投資型であること、米国のGDP、インフレレートなどから、また、NYダウ平均
はダウ・ジョーンズ社が選ぶ優良銘柄 30社の平均であり、その点日本における投資スタ
ンスが投機的要素が強い上、GDPも低く、日経平均は 225社の平均であることによる違い
があるようです。
NYダウ平均の推移が示しているのは、長期間にわたって年率約6%の金利で安定的に
推移していると解説されているのです。 投資を考えている人にとって、米国の個別銘柄
でなく投資信託などのような商品が安定投資先であるのかもしれないとも・・。
黄金比、フィボナッチ数列から、NYダウ平均へと面白い展開になり、その要点をここに
引用させていただきましたが、十分にこなれていないので、理解しにくいかもしれません
がお許しを願うばかりです。
投資から離れて、今少し、黄金比Gについて参考までに以下に列記します。
すなわち、
G=(1+√5)/2 =1.61803399
G²=G+1 =2.618・・
G³=G・G²=G(G+1)=2G+1=4.236
G⁴=3G+2=6.854
G⁵=5G+3=11.090
G⁶=8G+5
ついでに、G⁵、G⁶を追加しました。10乗は、55G+34=122.99 となります。