晩秋の京都、相国寺に行ってきました。
やや遅いモミジが、まだ色鮮やかに諸所に浮かぶような境内のその奥に、承天閣美術館の
古風なたたずまいの入り口がありました。「伊藤若冲展」を見に行きました。
館内ロビーには、そこここに入場者がいましたが、上野(東京都美術館)の 3時間待ち
などの賑々しさとは程遠い しっとりとした雰囲気の中で、お目当ての「動植綵絵30幅」と
「釈迦三尊像」に堪能しました。精緻な筆使い、細やかな描写による大作は、見る人を
圧倒せずにはおれない・・そんな迫力でした。大胆な構図と極彩色の変化に富んだその絵は
とても300年も前に描かれたとは思えないほどでした。コロタイプ印刷による複製は、重要
文化財などの絵画複製に使用されている優れたものだそうで、本物と変わらないそうですが、
レプリカ・・と聞けば、ちょっぴり寂しい感じにもなりました。 が、それでも素晴らしい
印象でした。
赤いとさかを付け、凛とした13羽の鶏を一面に配した「群鶏図」の迫力は素晴らしいですが、
小さな昆虫やへび、とかげなどを水辺の植物(ヒョウタン)とともにたくさん描かれた
「池辺群虫図」は、その一つ一つの虫たちを描いている若冲翁の心中を思うとき、妙にふつ
ふつとした楽しさが込み上げてくるのでした。
第2展示室には、若冲が江戸時代に描いた一連の水墨画が見事で、襖絵、障壁画などこち
らも圧巻でした。とくに、鹿苑寺大書院旧障壁画の大きな芭蕉を描いた「月夜芭蕉図床貼付」
(重要文化財)は、その大胆な構図と水墨画の濃淡による奥行描写のすばらしさに圧倒さ
れました。 当時(江戸)このような絵が評価されたとは思えないほど、現代的な作風とし
て迫力のある見事な絵でした。 おそらく、上野では、この絵は見ることは出来なかった
かもしれません。
東京で見そびれてしまったので、少し足を延ばした「若冲展」は、絵だけではない東京
ではありえ得なかったであろう喜びがあり、大変印象深いものとなりました。
相国寺参道 承天閣美術館入口
京都御所 紅葉(御所)
大本山相国寺全景
当ブログの 先日、11/13付け“若冲”にて、作風などを記事としています。
それとサプライズがあったそうで、誰だか?
この画面からはわかりませんでしたが、
また再開して楽しまれたのですね。
うらやましい!