シュピーレンに100V電流が使えるようにインバーターを取り付けることにし、それに合わせてシュピーレンのふるさと長野県高山村にあるフロットモビールの工房を訪ねる旅を考えた。
<3月19日>
朝9時30分ぐらいに豊田の自宅を出て、豊田松平インターから東海環状~中央道~長野道を走って安曇野インターまでの高速走行だ。ライトエースの非力なエンジンにも慣れたせいか、ストレスを感じる事なく軽快に走り続けることができた。商業車ののシートも侮ることはできない。長時間運転することが前提で設計されているはずであり、ほとんど疲れを感じることなく200㎞を超える距離を走り続けることができたことで「旅クルマ」としては合格だ。
インター手前の梓川パーキングで昼食をと思ったが、3連休初日のお昼時ということで食券販売機の前には行列が。僕も妻も並ぶのが嫌いなので、売店でかき揚げ蕎麦を買い、レストラン・シュピーレン、つまりクルマの中でお昼ご飯を食べた。こんなときにもキャンピングカーは便利だ。しかも楽しい。
安曇野インターを出てR19で長野市信州新町のろうかく梅園に向かった。長野市の近いR19はこんなに北まで来ても木曽川沿いのR19とよく似た雰囲気の道だ。ただ、橋また橋で川が右側になったり左側になったりしておもしろい。ナビの言うままに右折するとすぐ梅園があった。しかもバッチリ満開で大感激だ。あらかじめネットで調べてはいたが、ここまで満開とは思わなかった。それに、広大な梅園を見たことがなく、河原近くの白梅、土手の紅梅それぞれがとてもきれいだった。
次に向かったのが松代城跡。話題の真田丸にかかわる城で、歴史好きの妻へのプレゼントの意味も込めて訪れることにした城だ。
長野市街を東に抜け、松代にはいるとすぐに城跡があった。
石垣が昔のまま残され、本丸周辺も整備され、素敵な公園になっていた。平城で本丸跡だけが石積みの上になっていたが、周辺も川に沿った平地で見晴らしはいい。
しばらく本丸跡を散策した後、お堀に沿って城跡の外側を歩いて駐車場に戻ろうとした時、思いがけないアクシデントに遭遇した。
ドンというにぶい音が聞こえたので即座に音の方に目を向けると男の子がクルマにはねられボンネットの前をコロコロ転がっていた。これは大変と思い、現場に駆けつけると、はねたクルマの運転手は運転席に座ったまま男の子に何か話しかけたかと思うとその場を去ってしまった。男の子は友だち4人に囲まれ、うずくまっていた。大丈夫そうに見えたが頭と右腕を打ったと言う。本人は「大丈夫です。」、と言うが、頭を打っている以上検査しなければ分からない。
すぐに119番通報をし、1時間あまりの間救急隊の方、小学校の先生、警察の方に状況を話したりした。はねたクルマを運転していた人は、子どもに「大丈夫だね」と声をかけただけで去っていったので、ひき逃げということで鑑識の方もかけつけて捜査に入った。悔しいことに、僕も妻もはねられた子どもに意識が向いてしまい、はねたクルマについては旧ソリオ、パッソくらいのシルバーのコンパクトカーで運転していた人が高齢者だったことしか覚えてなかったことだ。事故の調べの間に、はねられた子どもは腕の打撲だけという連絡があり、現場に駆けつけた小学校の先生とともに胸をなで下ろした。
松代城址の次は、松代か小布施辺りで信州牛のおいしい店を探そうと思っていたが、予定より1時間以上遅れてしまったので店探しをカットし、短縮日程に変更。
「おぶせ温泉あけびの湯」でのんびりと温泉に浸かり、温泉施設の中のレストランですき焼き定食を食べ、道の駅「オアシスおぶせ」でホテル・シュピーレン。お湯を沸かしてコーヒーを飲み、横になって土曜ワイド劇場を観てくつろいでいだ。
大変なアクシデントに遭遇したが、広大な梅園といい、真田ゆかりの城跡といい、気持ちのいい小布施の温泉といい、信州の旅をキャンカー・シュピーレンとともに楽しむことができた。
シュピーレン・・・小さなキャンカーですが、実におもしろい。
<3月20日>
道の駅での車中泊は本当に愉快だ。シュピーレンの車内はFFヒーターで暖房が効き、狭いながらも快適な寝心地だ。道の駅の駐車場ということを忘れてしまうくらい気持ちよく眠ることができる。昨日の夜も、テレビを消して「まだ眠くないなあ」とつぶやいたところから僕の記憶はなくなっている。
熟睡から目覚めたのが5時40分。悲しいことにいつもの起床時刻だ。体が仕事のリズムになっている。今日は休日、気持ちよく二度寝してからシュピーレンの中で朝食だ。メニューは、クロワッサンと卵スープ、そして食後のコーヒー。窓越しに道の駅の朝市に野菜を運ぶ軽トラが行き来しているのが見える。小布施と言えばりんご。ぽかぽかとした暖かい部屋の中でコーヒーを飲みながらのんびりと「後でりんごでも買おうか」などと話したりして、心地よい朝のひとときを過ごした。
9時頃道の駅「オアシスおぶせ」を出て、高山村のフロットモビールの工場に向かった。。そこはシュピーレンのふるさと。シュピーレンは長野市郊外の高山村で造られている。
フロットモビールのキャンピングカー工房を見てみたいのと、サブバッテリーからの交流電流を車内で家庭用の普通のコンセントで使えるようにしてもらうことがで、今回の訪問の目的だ。
初めて見たキャンピングカー工房。家具職人さん、電気配線の職人さんたちが真剣な目で黙々と図面を見ながら働いていた。工場には2台のライトエースバン。1台は素の状態で荷室部分の内張がすべて把持されていた。もう1台は家具が据え付けられ、配線が剥き出しになっていた。ライトエースバンがシュピーレンになっていく過程が分かる。車両置き場にはデモ車のオレンジ・シュピーレンなどに交じって新車以前のライトエースが2台とNV200が1台置かれてあった。NVベースでシュピーレンを造ってほしいとの依頼があったとのことだった。数㎝だが狭いスペースと配線の違いで新たに図面を起こしているとのことだった。
僕のクルマの配線が終わるまでの時間、社長のお母様のスペーシアをお借りして山田温泉に行ってきた。
山田温泉は昭和の香りが漂ういい雰囲気の温泉街だ。少し温泉街をぶらぶらし、立ち寄り湯の「大湯」に入った。すると、その熱いこと熱いこと。東海地方の言葉で「ちんちん」を通り越して最上級の「ちんちこちん」だ。ぬる湯好きの僕はそっと足だけ湯に入れ、少しずつ少しずつ体を沈め、ものすごく頑張って肩まで浸かった。しだいに体中がピリピリしてきてギブアップ。地元のおじいさんに「もっと熱い時もあるよ」と声をかけられ、すぐ脇を小学校低学年らしいお孫さんが「熱い」と言いながらもちゃんとお湯に浸かっていた。
フロットモビールに戻り、クルマを受け取り、工房の前で記念写真を撮っていただき、社長のお母さん、弟さん、従業員の方々に見送られて高山村を後にした。素敵な人たちの手で丁寧に丁寧に造られているシュピーレン。大事に乗って、しっかり楽しまないとバチが当たりそうだ。
信州牛の美味しい店を教えてもらったが、行ってみたら予約でいっぱいとのことだった。 仕方がないから小布施の街をうろうろし、やっと見つけた定食屋さんで650円のジンギスカン定食を食べた。昨日食べ損ねたおいしい信州牛にありつくことができず、ちょっとがっかり。
あとは、家に帰るだけ。距離にして約300㎞だ。小布施スマートインターから一気に豊田松平インターへのつもりが、高速に入ってすぐ睡魔に襲われてしまい、梓川パーキングで昼寝。横になって昼寝ができるのもキャンピングカーの特権だ。30分ほど寝て、松本名物山賊焼き串を食べてパーキングを出た。
そこから家までの約250kmをノンストップで走った。元々はインドネシア製の小型のライトバンだが、往路同様ストレスなく走り続けられる。東南アジア向けのダイハツの工場で造られたクルマで低コスト車とは言え、そこは信頼のトヨタ・ブランド。これなら1泊でももっと遠くへ行ける。
家に着いて、妻といっしょに口に出たのが「あー、楽しかった」だった。どこでもいつでも寝たり食べたり自由気ままに行動できるキャンカー・ドライブがこんなに愉快とは、想像以上だ。そして、家に帰って気づいたのが、財布の中身がほとんど減っていないことだ。昨日の晩御飯1250円、昨日のお昼は650円、朝食と昨日のお昼はコンビニで合わせて800円。温泉も600円と300円で900円。全部で3600円。おみやげなどを含めても夫婦で10000円も使ってない。高速料金とガソリン代を覗けば、思いっきりリーズナブル。これなら、休みさえあればいつでも愉快な思いができるなあと思えてきた。
次は、どこへ行こう。
<3月19日>
朝9時30分ぐらいに豊田の自宅を出て、豊田松平インターから東海環状~中央道~長野道を走って安曇野インターまでの高速走行だ。ライトエースの非力なエンジンにも慣れたせいか、ストレスを感じる事なく軽快に走り続けることができた。商業車ののシートも侮ることはできない。長時間運転することが前提で設計されているはずであり、ほとんど疲れを感じることなく200㎞を超える距離を走り続けることができたことで「旅クルマ」としては合格だ。
インター手前の梓川パーキングで昼食をと思ったが、3連休初日のお昼時ということで食券販売機の前には行列が。僕も妻も並ぶのが嫌いなので、売店でかき揚げ蕎麦を買い、レストラン・シュピーレン、つまりクルマの中でお昼ご飯を食べた。こんなときにもキャンピングカーは便利だ。しかも楽しい。
安曇野インターを出てR19で長野市信州新町のろうかく梅園に向かった。長野市の近いR19はこんなに北まで来ても木曽川沿いのR19とよく似た雰囲気の道だ。ただ、橋また橋で川が右側になったり左側になったりしておもしろい。ナビの言うままに右折するとすぐ梅園があった。しかもバッチリ満開で大感激だ。あらかじめネットで調べてはいたが、ここまで満開とは思わなかった。それに、広大な梅園を見たことがなく、河原近くの白梅、土手の紅梅それぞれがとてもきれいだった。
次に向かったのが松代城跡。話題の真田丸にかかわる城で、歴史好きの妻へのプレゼントの意味も込めて訪れることにした城だ。
長野市街を東に抜け、松代にはいるとすぐに城跡があった。
石垣が昔のまま残され、本丸周辺も整備され、素敵な公園になっていた。平城で本丸跡だけが石積みの上になっていたが、周辺も川に沿った平地で見晴らしはいい。
しばらく本丸跡を散策した後、お堀に沿って城跡の外側を歩いて駐車場に戻ろうとした時、思いがけないアクシデントに遭遇した。
ドンというにぶい音が聞こえたので即座に音の方に目を向けると男の子がクルマにはねられボンネットの前をコロコロ転がっていた。これは大変と思い、現場に駆けつけると、はねたクルマの運転手は運転席に座ったまま男の子に何か話しかけたかと思うとその場を去ってしまった。男の子は友だち4人に囲まれ、うずくまっていた。大丈夫そうに見えたが頭と右腕を打ったと言う。本人は「大丈夫です。」、と言うが、頭を打っている以上検査しなければ分からない。
すぐに119番通報をし、1時間あまりの間救急隊の方、小学校の先生、警察の方に状況を話したりした。はねたクルマを運転していた人は、子どもに「大丈夫だね」と声をかけただけで去っていったので、ひき逃げということで鑑識の方もかけつけて捜査に入った。悔しいことに、僕も妻もはねられた子どもに意識が向いてしまい、はねたクルマについては旧ソリオ、パッソくらいのシルバーのコンパクトカーで運転していた人が高齢者だったことしか覚えてなかったことだ。事故の調べの間に、はねられた子どもは腕の打撲だけという連絡があり、現場に駆けつけた小学校の先生とともに胸をなで下ろした。
松代城址の次は、松代か小布施辺りで信州牛のおいしい店を探そうと思っていたが、予定より1時間以上遅れてしまったので店探しをカットし、短縮日程に変更。
「おぶせ温泉あけびの湯」でのんびりと温泉に浸かり、温泉施設の中のレストランですき焼き定食を食べ、道の駅「オアシスおぶせ」でホテル・シュピーレン。お湯を沸かしてコーヒーを飲み、横になって土曜ワイド劇場を観てくつろいでいだ。
大変なアクシデントに遭遇したが、広大な梅園といい、真田ゆかりの城跡といい、気持ちのいい小布施の温泉といい、信州の旅をキャンカー・シュピーレンとともに楽しむことができた。
シュピーレン・・・小さなキャンカーですが、実におもしろい。
<3月20日>
道の駅での車中泊は本当に愉快だ。シュピーレンの車内はFFヒーターで暖房が効き、狭いながらも快適な寝心地だ。道の駅の駐車場ということを忘れてしまうくらい気持ちよく眠ることができる。昨日の夜も、テレビを消して「まだ眠くないなあ」とつぶやいたところから僕の記憶はなくなっている。
熟睡から目覚めたのが5時40分。悲しいことにいつもの起床時刻だ。体が仕事のリズムになっている。今日は休日、気持ちよく二度寝してからシュピーレンの中で朝食だ。メニューは、クロワッサンと卵スープ、そして食後のコーヒー。窓越しに道の駅の朝市に野菜を運ぶ軽トラが行き来しているのが見える。小布施と言えばりんご。ぽかぽかとした暖かい部屋の中でコーヒーを飲みながらのんびりと「後でりんごでも買おうか」などと話したりして、心地よい朝のひとときを過ごした。
9時頃道の駅「オアシスおぶせ」を出て、高山村のフロットモビールの工場に向かった。。そこはシュピーレンのふるさと。シュピーレンは長野市郊外の高山村で造られている。
フロットモビールのキャンピングカー工房を見てみたいのと、サブバッテリーからの交流電流を車内で家庭用の普通のコンセントで使えるようにしてもらうことがで、今回の訪問の目的だ。
初めて見たキャンピングカー工房。家具職人さん、電気配線の職人さんたちが真剣な目で黙々と図面を見ながら働いていた。工場には2台のライトエースバン。1台は素の状態で荷室部分の内張がすべて把持されていた。もう1台は家具が据え付けられ、配線が剥き出しになっていた。ライトエースバンがシュピーレンになっていく過程が分かる。車両置き場にはデモ車のオレンジ・シュピーレンなどに交じって新車以前のライトエースが2台とNV200が1台置かれてあった。NVベースでシュピーレンを造ってほしいとの依頼があったとのことだった。数㎝だが狭いスペースと配線の違いで新たに図面を起こしているとのことだった。
僕のクルマの配線が終わるまでの時間、社長のお母様のスペーシアをお借りして山田温泉に行ってきた。
山田温泉は昭和の香りが漂ういい雰囲気の温泉街だ。少し温泉街をぶらぶらし、立ち寄り湯の「大湯」に入った。すると、その熱いこと熱いこと。東海地方の言葉で「ちんちん」を通り越して最上級の「ちんちこちん」だ。ぬる湯好きの僕はそっと足だけ湯に入れ、少しずつ少しずつ体を沈め、ものすごく頑張って肩まで浸かった。しだいに体中がピリピリしてきてギブアップ。地元のおじいさんに「もっと熱い時もあるよ」と声をかけられ、すぐ脇を小学校低学年らしいお孫さんが「熱い」と言いながらもちゃんとお湯に浸かっていた。
フロットモビールに戻り、クルマを受け取り、工房の前で記念写真を撮っていただき、社長のお母さん、弟さん、従業員の方々に見送られて高山村を後にした。素敵な人たちの手で丁寧に丁寧に造られているシュピーレン。大事に乗って、しっかり楽しまないとバチが当たりそうだ。
信州牛の美味しい店を教えてもらったが、行ってみたら予約でいっぱいとのことだった。 仕方がないから小布施の街をうろうろし、やっと見つけた定食屋さんで650円のジンギスカン定食を食べた。昨日食べ損ねたおいしい信州牛にありつくことができず、ちょっとがっかり。
あとは、家に帰るだけ。距離にして約300㎞だ。小布施スマートインターから一気に豊田松平インターへのつもりが、高速に入ってすぐ睡魔に襲われてしまい、梓川パーキングで昼寝。横になって昼寝ができるのもキャンピングカーの特権だ。30分ほど寝て、松本名物山賊焼き串を食べてパーキングを出た。
そこから家までの約250kmをノンストップで走った。元々はインドネシア製の小型のライトバンだが、往路同様ストレスなく走り続けられる。東南アジア向けのダイハツの工場で造られたクルマで低コスト車とは言え、そこは信頼のトヨタ・ブランド。これなら1泊でももっと遠くへ行ける。
家に着いて、妻といっしょに口に出たのが「あー、楽しかった」だった。どこでもいつでも寝たり食べたり自由気ままに行動できるキャンカー・ドライブがこんなに愉快とは、想像以上だ。そして、家に帰って気づいたのが、財布の中身がほとんど減っていないことだ。昨日の晩御飯1250円、昨日のお昼は650円、朝食と昨日のお昼はコンビニで合わせて800円。温泉も600円と300円で900円。全部で3600円。おみやげなどを含めても夫婦で10000円も使ってない。高速料金とガソリン代を覗けば、思いっきりリーズナブル。これなら、休みさえあればいつでも愉快な思いができるなあと思えてきた。
次は、どこへ行こう。