大和市下鶴間に下鶴間村の鎮守「武相下鶴間諏訪神社」はある。創立(創建)は不詳ながら古来より「式内石楯尾神社」と伝えられ「新編相模風土記稿」によれば文徳天皇天安元年(857)祭祀のことが記され、後醍天皇延喜7年(907)の神名帳に高座小五座のうち下鶴間村に石楯尾神社ありと記されていることから「千有余年前」に既に鎮座していたことは確かである。諏訪湖のほとりに鎮座する諏訪大社は全国18000余といわれる諏訪神社の総鎮守であり、当諏訪神社も鎌倉時代中期のころ分霊され「諏訪社」とされた。祭神は建御名方神。鶴間駅より東方へ藤沢街道前を左折、直進すると右手に「赤い鳥居」がある。鳥居を抜け参道を進むと右奥に各所に施された彫刻が見事な「社殿」(手前に拝殿、幣殿、覆殿、本殿)がある。特に廻廊の両側にある中国の昔、漢の張良の物語、「子房覆を捧ぐの図」の彫刻、身舎の周囲壁面や脇障子に中国の故事を題材にした肉厚の彫刻が嵌込まれている。全体を通して上部には雲や飛鳥など天空を配し、中間部には人物、草花を、下部には波、水、水鳥、魚など池水に関する題材、向拝の廻りには竜や獅子の彫刻が施されている。境内中央に御神木のシイの木がある。社殿の左に「本宮」、右に「稲荷神社」、「八坂神社」、「秋葉・古峯神社」の境内末社が祀られている。参拝、詣で客が百人近く列をなし三が日、正月らしい厳かな雰囲気であった。(2001)
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