伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

グローイング・ジュニア

2007-10-22 06:06:49 | 小説
 中年のサラリーマンが中2の時に離れた故郷の村にそれ以来没交渉だった父親の葬儀のために帰り、マセガキだった小学生時代に女性器を見たくてたまらずあれこれ画策したことや親友との交友や衝突、憧れていた同級生などのことを思い出し、最後に長らく会っていなかった親友と酒を酌み交わすというストーリーの青春ヰタ・セクスアリス小説。
 主人公が父親の葬儀に日頃話もしない中2の息子を連れてきたが葬儀の途中にぷいと出て行ってしまい、息子との携帯電話での会話の現在と過去の想い出を並行させて進めていますが、これが今ひとつ。息子との現在は、結局ストーリーに大きな影響もないし、過去の想い出だけで進めた方がスッキリしたかも。
 小4の夏休み、女性器を見るための画策に親友を騙してあれこれ引っ張り回した挙げ句に、幼いと思っていた親友がホステスとつきあっていたというどんでん返しがありますが、その親友とホステスが主人公が村を出る中2の頃までどうなったのかは語られないし、中2で村を出ることになった事件は一番最初から思わせぶりに触れられ一番最後になってやっと語られますが、予想とは違いますが、ずっと追ってきたテーマやストーリーとは関係なく唐突で、ストーリーとしてはどうも収まりが悪い感じがします。
 中年男の小学生時代の想い出と友情、思うに任せぬが不幸でもない現状、まあ人生そんなものだねってふわっと読む作品ですね。


内山安雄 講談社 2007年7月10日発行
コメント
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