伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ガツン!

2009-12-26 19:09:17 | 小説
 16歳の美少女アリシアに一目惚れして最初のデートでセックスし、その後毎日ずっと一緒にいてセックスし続けて2週間で飽きて別れたが、その後にアリシアから妊娠を告げられたために逃亡した未熟で無責任なスケボーフリークの16歳少年サムが、生まれてきた赤ちゃんルーフへの愛情に少しずつ目覚め、アリシアの両親との同居には馴染めず、アリシアへの愛情は冷めつつも、父親になっていく様子を描いた青春小説。
 サム自身が16歳の母親と17歳の父親の間で生まれ、父親は別居し、母親は新たな恋人との間で妹を産み、そういう家庭環境へのアリシアの両親の偏見やルーフは32歳の祖母と5か月年下の叔母を持つという状況をクロスさせて人間関係にふくらみを持たせています。
 スケボーオタク少年にスケボー界のスターのポスターとの内心の会話をさせ、その一人芝居に次第に満足できなくなる過程を、サムの状況の進展と内面の成長とダブらせるのはいいのですが、サムを未来にタイムスリップさせる設定が、お話をキワモノ的にしています。
 同い年ながらに、もちろん動揺し感情的になりながらも着実な現実感とサムへの愛情を持ち続けるアリシアの姿と対比すると、アリシアから、現実から逃避し続けるサムの姿は情けないなぁと思ってしまいます。それがサム個人の問題なのか青年・男一般の問題なのかという、より手厳しい指摘もなされるでしょうけど。


原題:SLAM
ニック・ホーンビィ 訳:森田義信
福音館書店 2009年10月30日発行 (原書は2007年)
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