元共産党員でセゾングループ経営者にして詩人の著者の対談。
対談のはじめで語られている、「理論的には正しくても、相手の心に響かないというのでは意味がない」、右も左も知識人の言葉は大衆の言葉になっていない、自身の感性と一体になっていない(14~15ページ)という問題意識の下で、護憲のための運動のあり方、日本の社会と運動の今後、プロレタリア文学などを語っています。
改憲はアメリカにあごで使われるような自衛隊にするということを明文で約束することだから完全に独立を失うことになる(35ページ)ことに光を当ててアメリカへの従属を主矛盾として護憲の統一戦線を形成すべきだという指摘には、ドッキリします。アメリカの占領政策転換で戦犯たちが復権された際に、アメリカの都合での偽の復権は拒否するという国粋主義者は誰一人おらずみんなアメリカに尻尾を振った(65~66ページ)という指摘にも。派遣切りをする企業経営者の強欲さや派遣法を認めた連合の無責任さの指摘も、元大企業経営者に言われても・・・という気もしますが、新鮮でもあります。
対談なので、提起された問題にきちんと回答がなかったり詰め切れてない部分も多いですが、今という時代の気分にはフィットする読み物にはなっています。
辻井喬 かもがわ出版 2009年10月23日発行
対談のはじめで語られている、「理論的には正しくても、相手の心に響かないというのでは意味がない」、右も左も知識人の言葉は大衆の言葉になっていない、自身の感性と一体になっていない(14~15ページ)という問題意識の下で、護憲のための運動のあり方、日本の社会と運動の今後、プロレタリア文学などを語っています。
改憲はアメリカにあごで使われるような自衛隊にするということを明文で約束することだから完全に独立を失うことになる(35ページ)ことに光を当ててアメリカへの従属を主矛盾として護憲の統一戦線を形成すべきだという指摘には、ドッキリします。アメリカの占領政策転換で戦犯たちが復権された際に、アメリカの都合での偽の復権は拒否するという国粋主義者は誰一人おらずみんなアメリカに尻尾を振った(65~66ページ)という指摘にも。派遣切りをする企業経営者の強欲さや派遣法を認めた連合の無責任さの指摘も、元大企業経営者に言われても・・・という気もしますが、新鮮でもあります。
対談なので、提起された問題にきちんと回答がなかったり詰め切れてない部分も多いですが、今という時代の気分にはフィットする読み物にはなっています。
辻井喬 かもがわ出版 2009年10月23日発行