太宰治賞受賞の表題作は、仁徳陵の向かいに住む女子高生恵理が書いているブログ「古墳のとなりで犀と遊ぶ」に書き込んできた仁徳陵の中にいると思われる謎の人物インディアナの正体を探りながら、友人の真樹や幹代、友だち以上恋人未満?の倉内との日々を描く青春小説。
事件や謎は、特に進展や解決されることなく、登場人物の人間関係やつぶやきに新鮮さや興味を感じられるか、にほぼかかっている作品かと思います。
ストーリーを進行させるですます調の地の文と、内心を示す今どきの中高生っぽい語りつぶやき文体が境目なく混在し、夢や回想と現在が段落も分けられずに続いたり、行動の説明も省かれがちで、イメージの流れやリズムが合わず、私には読みにくい文章でした。
セット作品の「ジェダイの福音」は、恵理のブログにコメントを入れていたインディアナ那智に誘われて仁徳陵に侵入した友人の語る仁徳陵潜入・盗掘アドベンチャー小説。こちらはストーリーは展開させているけど、ストーリーや提示した古代史の謎の部分は夢想的で、やっぱり人物像で読ませられるかの作品と思います。
永瀬直矢 筑摩書房 2009年3月25日発行
事件や謎は、特に進展や解決されることなく、登場人物の人間関係やつぶやきに新鮮さや興味を感じられるか、にほぼかかっている作品かと思います。
ストーリーを進行させるですます調の地の文と、内心を示す今どきの中高生っぽい語りつぶやき文体が境目なく混在し、夢や回想と現在が段落も分けられずに続いたり、行動の説明も省かれがちで、イメージの流れやリズムが合わず、私には読みにくい文章でした。
セット作品の「ジェダイの福音」は、恵理のブログにコメントを入れていたインディアナ那智に誘われて仁徳陵に侵入した友人の語る仁徳陵潜入・盗掘アドベンチャー小説。こちらはストーリーは展開させているけど、ストーリーや提示した古代史の謎の部分は夢想的で、やっぱり人物像で読ませられるかの作品と思います。
永瀬直矢 筑摩書房 2009年3月25日発行